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- 環境変化確認編⑥~資産間のリターンの相関の変化~
相関は常に一定の値にはならず、金融市場の状況によって大きく変化することがあるため、過去の金融市場混乱時にどのような変化があったのかを理解することは重要です。
■資産間の相関
今回は資産間のリターンの相関(以下、相関)が過去、どのように変化したのかを確認いたします。相関は、常に変化し、特に金融市場が大きく変動するような局面では、相関も同じく大きく変化する傾向にあります。まず世界金融危機(リーマン・ショック)の前後を比較してみましょう。リーマン・ショックが発生する前の相関(図表1)をみると、各資産間の相関は総じて低く、株式同士(世界と日本、日本と米国)でもそこまで相関が高いとはいえませんでした。しかし、リーマン・ショック発生から欧州債務危機までの相関(図表2)をみると、株式と金の相関等は相対的に低下する一方、先述の株式同士の相関は大きく高まったことがわかります。
図表1:相関係数① (月次、期間:2003年12月末~2007年12月末、米ドルベース)
図表2:相関係数②(月次、期間:2007年12月末~2011年12月末、米ドルベース)
※相関係数が①から高くなっている値を赤枠で囲んでいます)
世界株式:MSCI世界株価指数、日本株式:MSCI日本株価指数、米国株式:MSCI米国株価指数、世界国債:FTSE世界国債指数、日本国債:FTSE日本国債指数、米国国債:FTSE米国国債指数、金:ロンドン市場金価格 ※指数は全てトータルリターン
出所(図表1、2):ブルームバーグのデータを基にピクテ・ジャパン作成
次にコロナショック発生後から、それにより発生したインフレを抑制するために米国のFRB(米国連邦準備制度理事会)が急ピッチに利上げを進めた2020年から2022年にかけての相関の変化を確認します。まずコロナショック発生から利上げが始まる前の相関を確認すると(図表3)、株式同士は相関が高く、株式と債券、金は相関が低かったことがわかります。しかし、米国の利上げが進み、株式と債券のパフォーマンスがともに大きく悪化した2022年の相関を確認すると、株式同士はもちろん、株式と債券の組合せであっても相関が高くなり、分散投資効果が薄れてしまったことがわかります(図表4)。
図表3:相関係数③ (月次、期間:2019年12月末~2021年12月末、米ドルベース)
図表4:相関係数④(月次、期間:2021年12月末~2022年12月末、米ドルベース)
※相関係数が③から高くなっている値を赤枠で囲んでいます)
世界株式:MSCI世界株価指数、日本株式:MSCI日本株価指数、米国株式:MSCI米国株価指数、世界国債:FTSE世界国債指数、日本国債:FTSE日本国債指数、米国国債:FTSE米国国債指数、金:ロンドン市場金価格 ※指数は全てトータルリターン
出所(図表3、4):ブルームバーグのデータを基にピクテ・ジャパン作成
このように相関は市場の混乱とともに短期間で大きく変化する可能性があるため、平時ではしっかり分散効果が期待できる組合せでも、時としてその効果が薄れてしまう局面に遭遇する可能性に留意する必要があります。高い分散効果をポートフォリオに期待する場合、このような相関の変化にも注意を払って資産運用を検討する必要があるといえます。
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