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トランプ関税で存在感が高まる新興国の株式に注目
2025/09/30

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概要

新興国株式は、米国の相互関税発表後も先進国株式を上回って推移
米国の相互関税発動後も多くの新興国の労働人口増加国から米国への輸出は増加
関税回避のために生産拠点や物流ルート再編の動きから恩恵を受ける新興国
世界貿易の構造変化は新興国経済の存在感を高める



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■ 新興国株式は、米国の相互関税発表後も先進国株式を上回って推移

新興国株式は、米国の相互関税発表(202542日)後も先進国株式を上回って推移しています。当ファンドの組入上位国(20258月末現在)の多くも、堅調に推移しています。

背景としては、新興国は、1)米国の高関税が課された新興国でも、物流ルートの移動などにより輸出の大幅減少を回避している国が多くみられること、2)高関税が課された国の代替としての生産拠点や物流ルートとして恩恵を受ける国があること、3)バリュエーション(投資価値評価)が主要先進国株式よりも相対的に割安な株式が多いこと、4)先進国よりもインフレが先んじて低下し、利下げを行う国が多く、経済の下支えとなっていること、などがあげられます。新興国株式は、今後の米関税の状況などにより株価が大きく変動する可能性もあることから、投資機会を捉えつつも、投資国の選別や分散投資が肝要と考えます。

 

 

■ 米国の相互関税発表後も多くの新興国から米国への輸出が増加

米国の相互関税発表(202542日)後の主要国への影響を、20254月~5月(前年同期比)の主要国の輸出の動きを統一基準で比較するため、国際通貨基金(IMF)のデータでみてみると、当ファンドの投資対象である、新興国の主要な労働人口が増加する国では、高関税が課された国でも、米国向け輸出や全輸出が増加している国もみられます。

駆け込み需要やその後の追加関税などの状況も勘案する必要がありますが、直近の各国の統計局発表ベースの6月~8月のデータでは強弱はあるものの概ね同様の動きがみられます。中国関税総局発表の8月の対米輸出(米ドルベース)は前年同月比で33%減となる一方、全輸出は同4.4%増となりました。インドでは、81日から50%の米関税が課されましたが、商業統計局発表の8月の全輸出は同6.7%増となっています。

 

■ 関税回避のために生産拠点や物流ルート再編の動きから恩恵を受ける新興国

米国関税の引き上げにより、高関税がかけられた国の対米の直接輸出が大幅に減少し、こうした国々の製造業はサプライチェーンを東南アジアやメキシコなどへ多角化し、関税回避のために生産拠点や物流ルート再編の動きを進めており、当ファンドの投資対象の労働人口増加国では恩恵を受ける国が多くみられます。

インドタタ・コンサルタンシー・サービス(インド)などは、米国拠点のコスト増で、オフショア拠点での受注・ITサポトが増加するなど米国外での外注サービス需要増の恩恵が期待されます。対米輸出の割合がGDP2%程度と低く、内需の割合が多いこともあり、経済全体への影響は相対的に小さいとみられます。

ブラジル米追加関税から航空機が除外されたため、米系航空会社のブラジル製機材の調達が拡大し、米中摩擦のなかで、中国の航空会社向けも加速し、エンブラエル(ブラジル)などの受注が増加しています。中国の米国から輸入先の転換で、農産品の輸出が増加しています。

アラブ首長国連邦(UAE)】 米国の相互関税が10%であることから、中継基地の役割が拡大し、アジアからの商品積み替え地としての利用の増加などで、米国市場向け輸出が拡大しています。

メキシコ「米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)」により、一部の品目で高関税が回避できるため、関連品目の生産拠点を強化する動きによる恩恵が期待されます。セメックス(メキシコ)は、アジア製セメントの米関税による供給不足で、米国向け輸出が増加しています。

南アフリカ 鉱物資源などは米関税対象外で、金やプラチナの需要が増加するなど輸出が増加する一方、自動車関連などの低迷により、全体では対米輸出は減少しています。ただし、対米輸出の割合がGDP2%程度と低いこともあり、経済全体への影響は相対的に小さいとみられます。

 

■ 米国関税の引き上げによる世界貿易の構造変化が新興国経済の存在感を高める

2000年以降、新興国の輸出に占める対米輸出の比率は減少する一方、新興国域内での貿易が拡大してきました。貿易構造変化の動きは、長期的には新興国各国の経済的な結びつきの多様化と新興国の存在感強化につながるとみれらます。

こうした貿易構造の変化は、新興国が拡大していくなかでも各国の地政学的条件や経済構造により経済成長に差ができると考えられます。世界的な貿易構造や経済勢力図の変化などをとらえ、中長期的に成長が期待される労働人口増加国への分散投資に注目すべきと考えます。

 

■ 新興国の労働人口増加国に着目する当ファンドの国別構成比

当ファンドでは、新興国の労働人口増加国の株式市場の銘柄について、詳細な分析を行い、バリュエーション(投資価値評価)等を勘案し、中長期的な業績成長が期待される銘柄を選別しています。



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