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世界株式投資戦略~主要資産のボラティリティが同時低下~
田中 純平
2019/03/19

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概要

主要資産におけるインプライド・ボラティリティの低下が顕著となっています。FRBのハト派スタンス転換や、主要な政治リスクの後退等が要因ですが、足元の相場は思惑(期待先行)で形成されている側面が強いため、今後の動向次第ではインプライド・ボラティリティが上昇する可能性があります。



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主要資産におけるインプライド・ボラティリティが同時に低下

図表で示したものは米国株、欧州株、米国債、主要通貨それぞれのインプライド・ボラティリティ(予想変動率、以下ボラティリティ)を示しています。一般的に、ボラティリティは当該資産価格の上昇局面で低下し、当該資産価格の下落局面で上昇する傾向があります。足元のように主要資産のボラティリティが同時に低下した局面は、直近では2015年8月のチャイナショックや、2016年6月のブレグジット(英国のEU (欧州連合)離脱)を問う英国国民投票、2018年2月の米国長期金利上昇といった、リスクイベントが発生(ボラティリティが上昇)した後に見られた現象です。今回も昨年12月に発生した米中貿易戦争等を背景とした世界的なリスクオフ局面からの反動、という点で共通項は見いだせるものの、今回はFRB(米国連邦準備制度理事会)がハト派スタンスへ転換する中、米中貿易協議の進展期待やブレグジットにおける合意なき離脱リスクの低下観測といった、投資家の思惑によってもたらされた側面が強いと考えられます。さらに、解決が期待される政治問題は先延ばしされているに過ぎず、本質的な解決には至っていない点も念頭に置く必要があります。

「思惑で買って事実で売る」パターンか?

「思惑で買って事実で売る」という相場格言があります。投資家は将来を予想して投資を行うため、往々にして期待先行で株式が買われ、その期待が現実化するころには株価に十分織り込まれ、思惑が事実となった時点で株式が売られやすいという経験則を表しています。今回は、米中貿易協議の進展や英国のEU離脱延期観測が「思惑」に相当し、それらの合意が「事実」に相当します。その経験則に従えば、「思惑」が「事実」になるまでの間、株価は上昇する可能性がありますが、世界株式市場はすでに期待先行で大きく値上がりしています。今後は、米中貿易協議や英国のEU離脱協議において、(「思惑」が「事実」になる前の段階で)投資家の期待を裏切らないことが肝要になります。そのハードルは決して低くないと考えられるため、上値の深追いは控えたいところです。


田中 純平
ピクテ・ジャパン株式会社
投資戦略部長

日系運用会社に入社後、主に世界株式を対象としたファンドのアクティブ・ファンドマネージャーとして約14年間運用に従事。北米株式部門でリッパー・ファンド・アワードの受賞歴を誇る。ピクテ入社後はストラテジストとして主に世界株式市場の投資戦略等を担う。ピクテのハウス・ビューを策定するピクテ・ストラテジー・ユニット(PSU)の参加メンバー。日経CNBC「朝エクスプレス」、テレビ東京「Newsモーニングサテライト」、BSテレビ東京「NIKKEI NEWS NEXT」に出演。週刊エコノミスト「THE MARKET」で連載中。日本経済新聞やブルームバーグではコメント多数引用。日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)


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