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米大統領選TV討論会後のマーケットが示唆する投資家の思惑
田中 純平
2020/10/01

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概要

米国大統領選挙候補者による第1回TV討論会が中西部オハイオ州で現地9月29日夜に開催された。トランプ氏がたびたびバイデン氏や司会者の発言に割り込み一方的に持論を展開する光景が目立つなど、「討論会」とは程遠い内容となったが、討論会後のマーケットは「決まらない大統領選挙」と「ブルーウェーブ」シナリオを冷静に織り込んだ可能性がある。



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第1回TV討論会の評価はバイデン氏の勝利

第1回TV討論会の評価は、バイデン氏が優勢となった。討論会直後に行われたCBS/YouGovの調査によれば、全体の48%がバイデン氏の勝利、41%がトランプ氏の勝利との評価を下した。また、CNNの調査でも全体の60%がバイデン氏の勝利、28%がトランプ氏の勝利と結論づけた。バイデン氏だけでなく司会者の質問さえもさえぎり、一方的に主張するトランプ氏の様子は、視聴者にマイナスの印象を与えた可能性がある。しかし、従来からのトランプ支持者の評価を変えるほどの材料では無かったため、TV討論会前後で選挙状勢が大きく変わったとは言えないだろう。その一方で、(有権者としてではなく)市場関係者として意識されたことは、「決まらない大統領選挙」と「ブルーウェーブ」シナリオだろう。

 

 

マーケットは「決まらない大統領選挙」と「ブルーウェーブ」シナリオを織り込む

トランプ氏は郵便投票は「不正選挙」につながると以前から批判しており、今回の討論会でもトランプ氏が選挙に敗北しても平和的に政権移行に応じるかについては明言を避けた。このため、新大統領が投票日から数週間たっても明らかにならない「決まらない大統領選挙」シナリオが改めて意識され、9月30日のVIX(CBOEボラティリティ)指数先物カーブは上方へスライド(予想変動率が上昇)する展開となった。

また、第1回TV討論会の評価がバイデン氏優勢となったことから、市場関係者は民主党バイデン氏の勝利と上院・下院で民主党が過半を占める「ブルーウェーブ」シナリオも改めて織り込んだ可能性がある。9月30日の世界株式市場は、「ブルーウェーブ」シナリオで恩恵を受けると想定される太陽光/風力関連株指数が世界株指数を上回るパフォーマンスとなり、反対に共和党が大勝する「レッドウェーブ」シナリオで恩恵を受けると考えられるエネルギー(原油)株指数や航空宇宙・防衛株指数が世界株指数を下回るパフォーマンスとなった。当日は、米国の追加景気対策に対する期待感から世界株式市場は全般的に上昇する展開となったが、その中身を精査すると投資家の思惑が透けて見えてくる。


田中 純平
ストラテジスト

日系運用会社に入社後、14年間一貫して外国株式の運用・調査に携わる。主に先進国株式を対象としたアクティブ・ファンドの運用を担当し、北米株式部門でリッパー・ファンド・アワードを受賞。アメリカ現地法人駐在時は中南米株式ファンドを担当し、新興国株式にも精通。ピクテ入社後は、ストラテジストとして主に世界株式市場を分析。ピクテ・グループ全体のハウス・ビューを策定するピクテ・ストラテジー・ユニット(PSU)にも参加し、レポートや動画、セミナーやメディアなどを通じて投資家への情報提供に努める。日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)


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