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ドイツ、何とかテクニカルな景気後退を回避
梅澤 利文
2019/11/15

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概要

仮に7-9月期がマイナス成長であったならば、ドイツがテクニカルな景気後退となるだけに注目された今回のGDPデータですが、辛うじてプラスを確保しました。もっとも、4-6月期がマイナス0.2%と下方修正された中での上昇だけに、ドイツ経済が現状弱いことに変わりは無いと思われます。ただ、先行きについては底打ちの兆しも見られます。



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ドイツ7-9月期GDP成長率:辛うじてプラスを確保、テクニカルな景気後退を回避

ドイツ連邦統計局が2019年11月14日に発表した7-9月(第3四半期)GDP(国内総生産)速報値は前期比0.1%増と、市場予想(マイナス0.1%)に反しプラス成長を確保、テクニカルな景気後退(リセッション)入りを辛うじて回避しました。

なお前期(4-6月期)のGDP成長率はマイナス0.2%と速報値のマイナス0.1%から下方修正されました(図表1参照)。

 

 

どこに注目すべきか:景気後退、底打ち、期待指数、財政政策

仮に7-9月期がマイナス成長であったならば、ドイツがテクニカルな景気後退となるだけに注目された今回のGDPデータですが、辛うじてプラスを確保しました。もっとも、4-6月期がマイナス0.2%と下方修正された中での上昇だけに、ドイツ経済が現状弱いことに変わりは無いと思われます。ただ、先行きについては底打ちの兆しも見られます。

まず、7-9月期のドイツGDP成長率を簡単に振り返ります。

ドイツ連邦統計局によると、プラスに貢献したのは家計の最終投資で、第2四半期を上回る回復と説明しています。
また、政府支出もプラスに貢献しています。輸出が改善した一方で、輸入は前期と同水準であったため、純輸出も改善しました。しかしながら、機械と設備への投資は前期に比べ減少したと述べています。

今回のドイツGDPが注目された理由は、2四半期連続のマイナス成長という「テクニカル」な景気後退にドイツが陥ることが懸念されたためです。

前回、ドイツがテクニカルな景気後退となったのは12年10-12月期~13年1-3月期であったため、概ね7年ぶりのこととなるところでした(図表1参照)。今後GDP成長率が下方修正されて7-9月期がマイナス成長となる可能性もゼロではないですが、景気後退リスクはトーンダウンした印象です。8月には財政政策拡大の可能性を示唆したショルツ財務相は(今日のヘッドライン19年11月11日号を参照)、追加予算による財政政策は必要がないと言明しています。

確かに、ドイツ景気の先行きを示唆する指数の中には、ドイツ経済の今後の回復を示唆するものもあります。例えば、ドイツ欧州経済研究センター(ZEW)が公表するZEW期待指数(概ね半年先の期待を反映)は足元回復しています(図表2参照)。ドイツ製造業購買担当者景気指数(PMI)などの先行指数も底打ちの前兆が見られます。

ただ、先のZEW指数のうち足元の動きを反映するZEW現状指数を見ると水準は低く、厳しい景気の現状が示唆されています。期待指数の回復も、現状よりはましという程度の水準と思われます。ピクテではドイツの20年成長率を年率で0.7%と見込んでおり、19年の予想成長率0.6%とあまり変わらない、きわめて緩やかな回復しか見込んでいません。ドイツは来年財政を拡大する予定ですが、現状は最大許容範囲内での拡大にとどめる模様です。今後の展開しだいでは、踏み込んだ対応を求められる可能性も考えられます。


梅澤 利文
ピクテ・ジャパン株式会社
シニア・ストラテジスト

日系証券会社のシステム開発部門を経て、外資系運用会社で債券運用、仕組債の組み入れと評価、オルタナティブ投資等を担当。運用経験通算15年超。ピクテでは、ストラテジストとして高度な分析と海外投資部門との連携による投資戦略情報に基づき、マクロ経済、金融市場を中心とした幅広い分野で情報提供を行っている。経済レポート「今日のヘッドライン」を執筆、日々配信中。CFA協会認定証券アナリスト、日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)


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