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普通に戻った、副大統領候補者討論会
梅澤 利文
2020/10/08

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概要

複数の欧米のメディアが今回の副大統領候補の討論会が整然と行われたことについて、普通の討論会に戻ったと評価しています。それほど、前回の討論会は酷い内容であったことの裏返しです。今回の討論会は政策論争への期待と、トランプ大統領の新型コロナウイルス感染を受け副大統領候補の討論会としては異例の注目が集まりました。



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米副大統領候補討論会:大統領候補の討論会から一転、普通の論戦に

米大統領選の副大統領候補である共和党ペンス副大統領と民主党カマラ・ハリス上院議員によるテレビ討論会が2020年10月7日(日本時間8日午前10時)にユタ州ソルトレークシティーで行われました。

前回のトランプ大統領とバイデン前副大統領との討論会は非難や中傷の応酬で、一部メディアからは史上最悪とまで酷評されたのに比べて、この日の論戦は概ねルール通りに論戦が行われました。

 

 

どこに注目すべきか:非難の応酬、支持率、情報開示、コロナ感染

複数の欧米のメディアが今回の副大統領候補の討論会が整然と行われたことについて、普通の討論会に戻ったと評価しています。それほど、前回の討論会は酷い内容であったことの裏返しです。今回の討論会は政策論争への期待と、トランプ大統領の新型コロナウイルス感染を受け副大統領候補の討論会としては異例の注目が集まりました。

まず、今回の討論会前の状況を確認します。トランプ/ペンス陣営とバイデン/ハリス陣営の支持率を先の討論会(9月29日)前後で比べると、バイデン氏が支持を拡げる一方、トランプ氏は支持が低下しています(図表1参照)。トランプ氏のコロナ感染に対する同情は期待できないようです。

米大統領選挙の場合、全国よりも激戦州の動きを見る必要がありますが、こちらもオハイオなどは互角ですがバイデン氏がややリードしています(図表2参照)。

そこでペンス氏には逆転の期待がかかりますが、結論から述べれば、今回の討論会で形勢が変わることは期待し難いと思われます。

限定的な標本調査で民主党有利の結果が出る点に注意は必要ながら、米CNNの世論調査(速報)ではハリス氏が討論会の勝者としています。加えて、大統領の高齢や健康問題などから両党副大統領は「後継」としてふさわしいかの問いに対しペンス氏は討論会の前後で安定した支持であったのに対し、ハリス氏も同様の支持が見られました。実際、ハリス氏は討論会を無難にこなし、例えば討論の質問でホワイトハウスはトランプ大統領の健康に関して情報開示を高めるべきかとの問いに対し、当然とする一方でさらりとトランプ大統領の納税申告書の非開示を持ち出すなどしたたかでした。

ペンス氏には、ホワイトハウス関係者に感染者が拡大している問題など不利な質問に対応を迫られたのは不運(?)とも言えそうです。もっとも、ペンス氏は、「何故コロナの死者が米国でこれほど多いのか?」に答えなかったなど、トランプ大統領に比べ冷静な受け答えながら、不満を残しました。

もっともハリス氏も環境問題(気候変動の対策)や、連邦最高裁判所判事の増員をするかについて質問を巡っては回答を避けています。また外交問題などについてハリス氏のコメントには新鮮味は見られませんでした。

世論調査の動向から、失態の回避ができればよい立場で討論会に臨んだハリス氏はこの点で問題は見られず、今回の討論会で選挙の潮目が変わる可能性は低いと思われます。


梅澤 利文
ストラテジスト

日系証券会社のシステム開発部門を経て、外資系運用会社で債券運用、仕組債の組み入れと評価、オルタナティブ投資等を担当。運用経験通算15年超。ピクテでは、ストラテジストとして高度な分析と海外投資部門との連携による投資戦略情報に基づき、マクロ経済、金融市場を中心とした幅広い分野で情報提供を行っている。経済レポート「今日のヘッドライン」を執筆、日々配信中。CFA協会認定証券アナリスト、日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)


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