Article Title
バイデン政権となった場合の経済関連ポジション
梅澤 利文
2020/11/16

Share

Line

LinkedIn

URLをコピー


概要

トランプ大統領の法廷闘争が勢いを失う一方で、バイデン氏が政権移行の動きが見られます。市場の当面の関心は主要閣僚の人事で、特に新型コロナの感染拡大で重責が想定される財務長官ポストなどに関心が高まっています。報道されている主な顔ぶれを振り返ります。



Article Body Text

米国大統領選挙:全50州で当確が出揃い、関心は徐々に選挙後の体制に

 この週末、米大手メディアは残されていたノースカロライナ州、ジョージア州の当確を報道、バイデン氏が獲得する選挙人数は306人となり、勝利確実と報じています。

 トランプ大統領は選挙結果を認めるかについて不規則な発言を続けていますが、一方でバイデン氏は2020年11月11日には長年の側近であるロン・クレイン氏を大統領首席補佐官に内定(図表1参照)するなど動きはじめています。

 

 

どこに注目すべきか:政権移行、財務長官、女性、マイノリティ

 トランプ大統領の法廷闘争が勢いを失う一方で、バイデン氏に政権移行の動きが見られます。市場の当面の関心は主要閣僚の人事で、特に新型コロナの感染拡大で重責が想定される財務長官ポストなどに関心が高まっています。報道されている主な顔ぶれを振り返ります。

 まず、注目度が高い財務長官には米連邦準備制度理事会(FRB)のブレイナード理事、イエレン前FRB議長、ウォーレン上院議員に加え、その他にも複数名が候補として報道されています(図表1参照)。次の財務長官には、コロナ対策に関連して財政政策とその財源である税金、さらに雇用問題など待った無しの対応が求められます。

 財務長官候補として早くから名前が挙がったのがブレイナード氏です。オバマ前政権では財務次官(国際担当)としての実績もあり、当時中国を為替操作国認定に動いたことがあるなど対中政策では弱腰でない一面も見られますが、金融政策ではハト派(金融緩和政策を選好)です。

 最近浮上してきたのはイエレン前FRB議長です。FRB議長としての実績に加え、今後の米国の雇用問題解消が求められる中イエレン氏の専門性が注目されます。財政政策で雇用を確保するバイデン政権の方針と波長は合いそうです。

 なお、財務長官候補のその他に含めた3人のうち2人はマイノリティで、他の1人は女性です。また国防長官にはミシェル氏が候補となるなど、全体に閣僚候補に女性、マイノリティが多い印象です。もっとも、バイデン氏の融和政策から想定して女性やマイノリティを中心に候補を(マスコミが)選択している面もあるかもしれません。今後、バックグラウンドチェックや政治的配慮を踏まえ選定が本格化すると思われます。

 その政治的配慮のひとつをウォーレン上院議員を例に見てゆきます。同氏はマサチューセッツ州選出の上院議員です。仮に同氏が財務長官となった場合、上院議員を辞職することになり、同州の上院ポストの問題となります。州による違いはありますが、上院議員の辞職では州の知事が後任を指名することになります。マサチューセッツ州は民主党が基盤の州で上院、下院共に民主党が独占していますが知事は共和党で民主党を指名しない可能性があります。バイデン氏は、処遇と議席数で難しい対応に迫られそうです。なお、市場がウォーレン上院議員の動向に関心が高いのは同氏の金融規制への厳しいスタンスが背景の一つです。ただ米証券取引委員会(SEC)委員長候補の顔ぶれを見ても規制強化の方向が伺えます。

 重要ポスト指名の時期について、バイデン氏は来月まで行わないことを示唆しています。ちなみにオバマ氏はほぼ全ての閣僚指名は12月にしましたが、金融危機の中、財務長官は11月24日に指名しました。さあバイデン氏の対応はいかに?


梅澤 利文
ストラテジスト

日系証券会社のシステム開発部門を経て、外資系運用会社で債券運用、仕組債の組み入れと評価、オルタナティブ投資等を担当。運用経験通算15年超。ピクテでは、ストラテジストとして高度な分析と海外投資部門との連携による投資戦略情報に基づき、マクロ経済、金融市場を中心とした幅広い分野で情報提供を行っている。経済レポート「今日のヘッドライン」を執筆、日々配信中。CFA協会認定証券アナリスト、日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)


●当資料はピクテ投信投資顧問株式会社が作成した資料であり、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。
●運用による損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。
●当資料に記載された過去の実績は、将来の成果等を示唆あるいは保証するものではありません。
●当資料は信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、その正確性、完全性、使用目的への適合性を保証するものではありません。
●当資料中に示された情報等は、作成日現在のものであり、事前の連絡なしに変更されることがあります。
●投資信託は預金等ではなく元本および利回りの保証はありません。
●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険契約者保護機構の保護の対象ではありません。
●登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の対象とはなりません。
●当資料に掲載されているいかなる情報も、法務、会計、税務、経営、投資その他に係る助言を構成するものではありません。

手数料およびリスクについてはこちら