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ユーロ圏の期待指数の1つの考え方
梅澤 利文
2021/03/29

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概要

ユーロ圏の経済成長率は20年10-12月期のマイナス成長に続き、21年1-3月期もマイナス成長になる公算が高まっています。ただ、ユーロ圏最大の経済規模を誇るドイツの景況感指数は先行きの改善期待が示唆されています。足元、新型コロナウイルスの感染再拡大でユーロ圏の景気回復が鈍化している中、今後の回復期待は維持されている要因を考えます。



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ユーロ圏の景況感指数:製造業は堅調な水準だが、サービス業の回復に遅れ

ドイツIfo経済研究所が2021年3月26日に発表した今後半年の見通しを示す3月のIfo期待指数は100.4と、市場予想(95.0)、前月(95.0と改定値94.2)を上回りました。約3年ぶりの高水準です(図表1参照)。

なお、3月24日に発表された3月のユーロ圏製造業購買担当者景気指数(PMI、速報値)は62.4と好調な一方、3月のサービス業PMIは48.8と前月から改善するも依然、景気拡大・縮小の目安となる50を下回っています。

どこに注目すべきか:ユーロ圏景況感指数、ワクチン接種、RRF

ユーロ圏の経済成長率は20年10-12月期のマイナス成長に続き、21年1-3月期もマイナス成長になる公算が高まっています。ただ、ユーロ圏最大の経済規模を誇るドイツの景況感指数は先行きの改善期待が示唆されています。足元、新型コロナウイルスの感染再拡大でユーロ圏の景気回復が鈍化している中、今後の回復期待は維持されている要因を考えます。

欧州中央銀行(ECB)が3月25日に発表した経済報告(Economic Bulletin)によると、ユーロ圏の20年10-12月期の成長率は前期比マイナス0.7%となりましたが、21年1-3月期もマイナス成長を見込んでいます。

ユーロ圏の製造業購買担当者景気指数(PMI)とサービス業PMIの動向から(図表1参照)、ユーロ圏経済の成長を下支えしているのは製造業です。製造業に強みのあるドイツの景況感指数が堅調なこととも整合的です。

ユーロ圏経済の回復期待が維持されている背景に堅調な製造業があげられますが、その背景は主に輸出と見られます。先のECBの経済報告ではユーロ圏を除いた21年の世界の経済成長率を6.5%とユーロ圏(4.0%)を上回ると見ており、輸出の伸びが想定されます。

なおユーロ圏の輸出に貢献した主な国、地域として、英国、ブラジル、アジアをあげるものの、英国は欧州連合(EU)離脱前の駆け込み需要が輸出を押し上げていた面もあり、英国の輸出については低下を見込む必要もありそうです。

次に、今後の期待要因はワクチン接種のペース(図表2参照)改善です。ワクチン接種動向を人口対比で見ると英国に水をあけられています。ユーロ圏各国も夏を目処に5割程度の接種率を目指しています。仮に接種率が高まれば飲食業のようなサービス業の改善だけでなく、オンラインでの購入が想定されないことなどから不振となっている自動車販売にも回復が期待されます。もっとも、ワクチン接種のペースは期待がある反面、不確実性も高いと見られます。

ユーロ圏の回復期待を支えているのが財政政策、なかでも7500億ユーロ規模の欧州復興基金と見られます。名前から中長期の話にも聞こえますがそうでもありません。特に復興基金の9割ほどは(復興強化計画、RRF)、来月に各国が資金の計画を提出、その評価を欧州委員会(EC)が審査し、承認すれば夏に一部が配分される運びです。ただ承認までの流れに不安が山積みで、ドイツなどに承認を遅らせる動きもあります。それでも財政政策拡大への期待は根強いと思われます。


梅澤 利文
ピクテ・ジャパン株式会社
シニア・ストラテジスト

日系証券会社のシステム開発部門を経て、外資系運用会社で債券運用、仕組債の組み入れと評価、オルタナティブ投資等を担当。運用経験通算15年超。ピクテでは、ストラテジストとして高度な分析と海外投資部門との連携による投資戦略情報に基づき、マクロ経済、金融市場を中心とした幅広い分野で情報提供を行っている。経済レポート「今日のヘッドライン」を執筆、日々配信中。CFA協会認定証券アナリスト、日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)


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