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COP26に向けて、日本は課題が山積みか
梅澤 利文
2021/05/24

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概要

今年11月に第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)が英国グラスゴーで開催されます。4月後半に米国が主催した気候変動サミットでは、温室効果ガスの排出量を2050年までに実質ゼロにするために、米国を始め欧州、日本などが30年までの温室効果ガスの削減目標を引き上げました。足元、具体的な方針が示されており今後の動向が注目されます。



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G7気候・環境大臣会合:カーボンニュートラルの実現に向け、気候変動対策を確認

英国の主催で主要7ヵ国(G7)による気候・環境大臣会合が2021年5月19~20日に開催されました。G7以外にも数ヵ国が招待され、日本からは梶山経済産業大臣や小泉環境大臣らが参加しました。気候・エネルギー分野においては、カーボンニュートラルの実現に向け、気候変動対策の強化や、エネルギー分野、産業分野の脱炭素化等について議論が行われ、気候・環境大臣会合として、閣僚声明(コミュニケ、図表1参照)が採択されました。

なお、昨年の議長国はトランプ前政権下の米国であったことからG7気候・環境大臣会合は開催されず、今回の会合は2年ぶりの開催となりました。

どこに注目すべきか:G7気候・環境大臣会合、COP26、温室効果

今年11月に第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)が英国グラスゴーで開催されます。4月後半に米国が主催した気候変動サミットでは、温室効果ガスの排出量を2050年までに実質ゼロにするために、米国を始め欧州、日本などが30年までの温室効果ガスの削減目標を引き上げました。足元、具体的な方針が示されており今後の動向が注目されます。

気候変動に関する国際交渉の場としては国連気候変動枠組み条約締約国会議であるCOPが重視されています。今年のCOP26で議題の一つと見られる30年までの温室効果ガスの削減目標などについて、最近公表されたレポートなどを元に、想定される変化や対策などを述べます。

まず、温室効果ガスの排出量を2050年までに実質ゼロという長期の目標に聞こえますが、短期的な対応が求められるものもあります。例えば、国際エネルギー機関(IEA)が4月18日に公表した、2050年までに世界が温暖化ガスの排出量を実質ゼロにするための工程表(図表2参照)によると、石炭関連のエネルギー新規供給プロジェクトは今後見込み難いことになります。日本の国内大手銀行でも同様の方針を示しているなど、対応が進められています。

ただ、図表1のG7コミュニケでも確認されることですが、石炭を使ったエネルギー供給である石炭火力発電がすぐにダメというわけではなく、排出する二酸化炭素の回収、貯蔵(CCS)や再利用などを排出削減対策が伴えば継続を容認する余地が残された模様です。

またエネルギー供給では再生可能エネルギー活用への期待が高く、日本に今後の対応が求められそうです。

なお、図表1のG7コミュニケは温室効果ガスの削減に向けた提案は多岐にわたるものの、スケジュールには踏み込んでいない面があります。一方、図表2のIEAの工程表はCOP26の参考資料という位置づけとなります。したがって、個別案件についての時間軸のイメージとして参照しています。その観点で自動車を見ると、2030年に向けガソリン車から電気自動車やプラグインハイブリッド、燃料電池車などにシフトする展開が想定されます。エネルギー政策や自動車分野など、今後の日本のグリーン政策に課題は多く、COP26に注目が必要です。


梅澤 利文
ストラテジスト

日系証券会社のシステム開発部門を経て、外資系運用会社で債券運用、仕組債の組み入れと評価、オルタナティブ投資等を担当。運用経験通算15年超。ピクテでは、ストラテジストとして高度な分析と海外投資部門との連携による投資戦略情報に基づき、マクロ経済、金融市場を中心とした幅広い分野で情報提供を行っている。経済レポート「今日のヘッドライン」を執筆、日々配信中。CFA協会認定証券アナリスト、日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)


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