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- 通貨ウォンに見る、最近の韓国の動向
韓国ウォンは今年前半から、米国の利上げに伴い弱含む展開でした。足元、米国の利上げ幅の縮小観測が台頭したことや、不確実性は高いながら中国のゼロコロナ政策の微調整に対する期待などを受け、ウォン安は一服しています。ただし、韓国の景気やインフレ動向の不確実性は大きく、ウォンは当面、方向感が定まりにくい展開となることも想定されます。
韓国通貨ウォン:ウォン安傾向に一服感は出るも方向感は定まりにくい展開
韓国ウォンは週明けの2022年11月28日に、前日比で約1%強対ドルで下落しました(図表1参照)。しかし、翌29日(日本時間正午)には反対に1%強上昇し、足元でウォンは方向感が定まりにくい展開となっています。
韓国銀行(中央銀行)は11月24日の金融通貨委員会で、市場予想通り政策金利を0.25%引き上げて年3.25%としました。韓国中銀は、昨年8月に現局面の利上げを開始し、前回(10月)の委員会のように0.50%の利上げを実施した時もありますが、今回は通常の利上げ幅に戻しました。
どこに注目すべきか:韓国、ウォン、アジア通貨、米金融政策
韓国ウォンの過去1年の主な変動要因を振り返ります。韓国固有の変動要因もありますが、主要な要因は米国の金融政策と中国の政策動向などであり、これらの要因は他のアジア通貨にも影響を及ぼしています。
まず、年初から先月まで概ね韓国ウォン安傾向が続いていました。主な要因は米国の金融政策です。3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ開始後はウォン安傾向が明確となっています。韓国中銀は米国に先んじて、昨年8月から利上げを開始しましたが、米国の利上げペースを下回る結果となりました。もっとも、マレーシアなど他のアジアの国も事情は、異なる面はありますが、似た面も見られます。
次に、ウォンは10月末ごろから上昇に転じました。その背景として米国の利上げ幅を将来的に縮小するとの観測が台頭したこと、中国のゼロコロナ政策の緩和(調整)期待が高まったことなどによります。中国当局は11月前半にゼロコロナ政策を微調整した政策を公表しています。ただし、中国における新型コロナウイルスの新規感染者数が足元再拡大していることなどが不透明要因となっています。
韓国の最大の貿易相手国である中国の経済回復は韓国の景気動向を大きく左右すると見られます。韓国の輸出は前年比マイナスにまで落ち込んでいるからです(図表2参照)。
韓国の足元の金融政策を振り返ると、7月や10月の利上げ幅(0.50%)に比べ11月の委員会ではウォンが対ドルで上昇基調に転じたことや、景気減速懸念を受け利上げ幅を0.25%に縮小させました。しかしながら、韓国中銀はインフレへの懸念も共有していると見られます。韓国の10月の消費者物価指数(CPI)は前年比5.7%とピークアウト感は見られますが水準は高く、コアCPIは4.8%と上昇の勢いが衰えていないようです(図表3参照)。今回の委員会で韓国中銀は23年のインフレ見通しを3.6%と、8月時点の3.7%からは引き下げましたが、市場ではより大幅な引き下げを見込んでいただけに、韓国中銀のインフレへの警戒感は根強いようです。
今後の韓国の金融政策は米国の利上げ動向、中国の政策などに左右される展開が想定されることから、ウォンの動向も当面方向感が定まりにくい展開を見込んでいます。
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