Pictet Story


ピクテ – 200年の歴史【8】 2005年-2018年

21世紀を迎えて:銀行の法的形態、そして経営権の変更が行われ、またビジネスラインの編成など、ピクテは大きく変わっています。「サステナビリティ」を理念に会社として環境問題への取組み、環境関連ファンドの立ち上げ、また、投資判断においてはESGを組み込むなど、全社をあげて取り組んでいます。




新株主とピクテの法的形態の変更

2005年以降、ピクテでは経営権と経営体制において重要な変更が2度ありました。2006年、ピクテでは初めてシニア・エグゼクティブに対し株主となるチャンスを与え、2017年末には6名のマネージング・パートナーを含む49名の株主が誕生しました。マネージング・パートナー以外のエクイティ・パートナーの数は、4,300名に上る従業員の約1パーセントにあたります。

さらに重要なのは、2014年1月にピクテのスイスの銀行の法的形態を変更したことです。200年以上に渡り、パートナーシップ制をとってきたピクテ・アンド・シー(Pictet & Cie)は、バンク・ピクテ・アンド・シー・エス・エイ(Banque Pictet & Cie SA)として有限責任会社になりました。株式合資会社ピクテ・アンド・シー・グループ・エス・シー・エイ(Pictet & Cie Group SCA) となり、全てのピクテ・グループ会社が一つになりました。現在のグループの主な会社は、スイスの銀行であるバンク・ピクテ・アンド・シー・エス・エイ(Banque Pictet& Cie SA)、ピクテ・アンド・シー(ヨーロッパ)エス・エイ(Pictet& Cie (Europe) SA)、バンク・ピクテ・アンド・シー(アジア)リミテッド(Bank Pictet & Cie (Asia) Ltd)、そしてピクテ・グループに属する持ち株会社、ピクテ・アセット・マネジメント・ホールディングス・エス・エイ(Pictet Asset Management Holding SA)の下にあるアセット・マネジメント会社になります。

これらの重要な変更は、近年のピクテの成長の中に見ることが出来ます。1980年時点では4ヵ所のオフィスに約300名のみの社員でしたが、現在では27 のオフィスに約4,300名の社員を有し、もはや少数のパートナーだけで全てを管理することは難しくなりました。エクイティ・パートナー制度により、パートナーは意思決定に集中でき、一方でシニア・マネジメント層の意欲を高めました。法的形態の変更はピクテを伝統的な法的形態から脱却させるとともに海外での子会社設立が可能となりました。

個人のパートナーシップ制から、法人への法的形態の変更は、いくつかの意味を持ちます。特に現在ピクテは、バランス・シート、損益計算書やそれ以外の会社情報を公にする必要があります。一方で、事業運営上、個人パートナーは無限責任を負う必要はありません。このように法的形態が変更され、年次報告書は発行しますが、計画的に企業統治を継承してオーナーシップを移行していくピクテ・モデルの主要部に変更はありません。

 


2005年以降のビジネス展開

ピクテの創立200周年記念後の10年は、ウェルス・マネジメント・ビジネスの環境に変化をもたらしました。2009年3月13日、経済危機後、スイスが経済協力開発機構(OECD)のモデル租税条約(Model Tax Convention)の26 項を採択したことにより、国境を越えた個人資産の課税情報が自動的に交換されることとなりました。これは、スイス銀行の秘密主義の終焉を意味します。実際に、ウェルス・マネジメントの透明化が進み、また、海外における、いわゆる「非課税地域」からの撤退を加速させました。

経済危機が引き起こした重大な結末は、アセット・マネジメントとウェルス・マネジメントの双方に、法規制の厳格化をもたらしました。

2018年1月3日、欧州では投資家保護と手数料などの透明性を重視する第2次金融商品市場指令(MiFID II)が導入されました。金融業界は、新しい取引コスト体系や過去のボラティリティに基づいたリスク喚起などを批判しました。しかし、アセット・マネジメント、ウェルス・マネジメントとも、新規制に順応していくでしょう。

2009年から2010年、ピクテは3つのビジネス・ラインを編成し、それぞれのCEOが率いるウェルス・マネジメント(PWM)、アセット・マネジメント(PAM)、アセット・サービス(PAS)としました。これにより、グローバル・カストディとファンド・アドミニストレーションのビジネスは統合されました。トレーディングとセールスは独立したアセット・マネージャーとしてアセット・サービスの傘下に入り、ファミリー・オフィス・サービスおよびオルタナティブ・インベストメント・ソリューション・サービスを提供するピクテ・オルタナティブ・アドバイザー(PAA) はウェルス・マネジメントの傘下に入りました。



2005年以降、ピクテの資産運用ビジネスは急速に発展しました。例えば、2010年には、機関投資家向けの「ピクテ・アセット・マネジメント(PAM)」と「ピクテ・ファンズ(PF)」で知られる投信ビジネスを統合しましたが、この統合により、新ビジネスの資金流入が加速し、運用資産はウェルス・マネジメントと肩を並べるまで成長しました。この成長は主に、1995年にスタートしたバイオテクノロジー・ファンドなどのテーマ型ファンド、新興国債券、トータル・リターン・ファンドやヘッジ・ファンドの拡大によるものです。特に、日本とイタリアにおけるビジネスは、2005年以降、目覚しい成長をみせました。

近年の最重要ITプロジェクトは、「アバロク(Avaloq)」と呼ばれる世界共通の銀行サービスの総合システムの導入でした。2018年はピクテの戦略的デジタル革命の年となり、グループ内のデジタルに関するすべての戦略を統括し推し進めるチーフ・デジタル・オフィサーが任命されました。



責任感ある思考と行動に

「サステナビリティ(持続可能性)」はピクテの理念の中核をなしています。長期に渡りお客様の資産保全に努めてきましたが、それは、将来世代の利益を守ることで実現することだと考えます。ピクテは会社の運営から、お客様に代わり行う投資に至るまで、私たちが行う事業活動がもたらす環境への影響に配慮しており、いくつかの取り組みを行っていますが、その中で、2020 年までにピクテ・グループ全体の社員一人当たり二酸化炭素排出量を減らすことに厳しい目標を課しています。2006 年に建設された本社ビルは、環境への影響を最小限にするよう設計されています。ピクテはサステナブル投資戦略を他社に先駆け開発してきました。

2000年には、業界初かつ今日ではセクターファンドの中でも最大規模となった「ウォーター・ファンド」を立ち上げました。2008年には「ティンバー(森林資源)・ファンド」を立ち上げ、この分野でもパイオニアとなりました。ピクテ・グループの「サステナビリティ委員会」は、グループ内の活動における環境への影響を測り、また、アセット・マネジメント、ウェルス・マネジメントにおいてのサステナブル投資を推奨しています。ピクテ・アセット・マジメント(PAM)では、全ての投資判断において環境・社会・ガバナンス(ESG)の項目を組み込んでいます。ピクテ・ウェルス・マネジメント(PWM) では、顧客へのサービス提供においてのサステナビリティ基準を導入しています。

より広範には、ピクテは宗教改革の精神に根付いた慈善事業を伝統とし、長年の間、ピクテの歴代のパートナー達は、医学研究、文化、社会的、人道的な分野へ積極的に貢献してきました。2009年にはピクテ・グループの慈善事業活動の枠組みとなる、「ピクテ・グループ慈善事業基金(Impact)」を設立しています。

2008年にピクテ・グループのパートナーは、写真を通じて世界のサステナビリティに対する意識を高め、問題解決への行動を促すことを目的とし、国際写真賞「プリ・ピクテ(Prix Pictet)」を設立しました。

2018年にプリ・ピクテは10周年を迎えますが、写真界において最も権威ある賞の一つとなっています。プリ・ピクテは設立以来7つの環境問題をテーマとし「Water(水)」に始まり、「Earth(地球)」「Growth(成長)」「Power(権力)」「Consumption(消費)」「Disorder(無秩序)」「Space(空間)」と続いています。現在は2年毎に授賞式を行い、これまでにプリ・ピクテの写真展は、75を超える博物館や世界の名だたる美術館で行われています。

結局のところ、社員の協力なしでは何一つ成し遂げることはできません。お客様に対しての責任感、社員相互の責任感、投資活動に対する責任感、そして私達が日々働き生活をするより広い世界に対する責任感を高めるためにも、社員一人ひとりの幸福が必要と考えます。



関連レポート


●当資料はピクテ・ジャパン株式会社が作成した販売用資料であり、金融商品取引法に基づく開示書類ではありません。取得の申込みにあたっては、販売会社よりお渡しする最新の投資信託説明書(交付目論見書)等の内容を必ずご確認の上、ご自身でご判断ください。
●投資信託は、値動きのある有価証券等(外貨建資産に投資する場合は、為替変動リスクもあります)に投資いたしますので、基準価額は変動します。したがって、投資者の皆さまの投資元本が保証されているものではなく、基準価額の下落により、損失を被り、投資元本を割り込むことがあります。
●運用による損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。
●当資料に記載された過去の実績は、将来の運用成果等を示唆あるいは保証するものではありません。
●当資料は信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、その正確性、完全性、使用目的への適合性を保証するものではありません。
●当資料中に示された情報等は、作成日現在のものであり、事前の連絡なしに変更されることがあります。
●投資信託は預金等ではなく元本および利回りの保証はありません。
●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険契約者保護機構の保護の対象ではありません。
●登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の対象とはなりません。
●当資料に掲載されているいかなる情報も、法務、会計、税務、経営、投資その他に係る助言を構成するものではありません。