Pictet Story


ピクテ – 200年の歴史【3】 1878年-1909年

リベラリズムの時代:創設者の孫にあたるエルネスト・ピクテが、新しい事業を推進していきます。政治的にも安定したこの時代、産業革命はジュネーブにも到来、目覚しい経済発展を遂げる中、ピクテもその発展に貢献しています。




エルネスト・ピクテ・アンド・シー(Ernest Pictet & Cie):無限のコミットメント

銀行の創設者の一人であるジャコブ-ミッシェル-フランソワ・ド・カンドルの孫息子、エルネスト・ピクテ(1829-1909)はリバプールで綿輸入事業に数年従事した後、1856年にパートナーとなり、エドゥアール、エミール、ギヨーム・ピクテ(Guillaume Pictet)と共に53年以上に渡りその職務を遂行しています。

エルネスト・ピクテは鋭いビジネス感覚の持ち主で銀行に新しい風を吹き込みました。彼はアングロ・サクソン流リベラリズムの熱心な提唱者であり、この経済原理をもって銀行の新しい事業を推進していきます。

当時スイスで紙幣発行を許可された18の銀行のひとつである商業銀行(Banque de Commerce)の頭取を長年務めていたエルネスト・ピクテは、スイスの金融取引を円滑に進めるため、民間会社の監督下における紙幣の中央発行機関の設立を提案、1863 年発行の「Des banques de circulation en Suisse」という冊子の中でもこの考えを述べています。提案のすべては実現されなかったものの、この結果、公共セクターと民間セクターの共同体として1905年にスイス国立銀行(Swiss National Bank)が設立されています。

エルネスト・ピクテは長いキャリアの中でさまざまな公職を歴任、1865年にはジュネーブ商工会議所を創立し、初代会頭に就任しています。この商工会議所は英国流の政府の干渉が一切ない組織でした。

スイスの貿易および産業を監督する協会の会長や、スイス連邦政府の国民審議官なども務めています。1880年、12名ほどの従業員をかかえていたエルネスト・ピクテ・アンド・シーは、プティト通り12番地(12, rue Petitot)に拠点を移し、 1909年までその地にとどまります。



産業革命はジュネーブにも到来

19世紀後半のジュネーブは宗教の違いによる対立の直後でしたが、政治的には非常に安定した時代となり、その恩恵を受けたジュネーブは著しい経済発展を遂げています。城壁は不要となり、ジュネーブは「開かれた」街として地域レベルで真の産業革命が到来しました。科学者とビジネスマンの相乗効果で、ピクテもその発展に貢献しています。

フランスの銀行、ユニオン・ジェネラル(Union Générale)の倒産はジュネーブ証券取引所も影響を受け、回復までに何年もかかりました。しかしそれでも、ジュネーブの経済発展への努力は目を見張るものでした。オギュストゥ・ドゥ・ラ・リブ(Auguste de la Rive) と マルク・チュリー(Marc Thury)が、後に高精密測量機器の生産で有名になった測量機器協会(Society of Physical Instruments)を設立した頃、精密工学が発展し始め、1880年以降さまざまな機械工業製品が誕生しています。後のアトリエ・ドゥ・セシュロン(Ateliers de Sécheron) となるドゥ・ムロン・アンド・クェノ(De Meuron & Cuénod)は電気機器製造のパイオニアでもあります。



19世紀の終わり、ジュネーブは産業ブームの真っ只中にありました。第一次産業の労働人口が全体のわずか9%であった一方、第二次産業は42%、第三次産業は50%でした。その数年前に決定された多額のコストを掛けた産業化計画でジュネーブは多額の借金を背負い、ジュネーブ産業サービス(Services industriels de Genève)の設立がジュネーブ州経済に大きな負担となります。しかし、ギュスターヴ・アドール(Gustave Ador)率いる民主党による新政府のもと、19世紀末にはジュネーブ経済は再び黒字に転換、新しい世紀にやってくる様々なチャレンジへの準備が整っていったのです。



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