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ESG投資編(15)ESGスコアについて②ESGスコアの傾向
2021/11/11

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概要

一般的にESGスコアは、ESG情報の開示が標準化されていないことなどから、地域、業種、企業規模に一定の傾向が見られます。上記のような傾向のあるESGスコアに基づいてポートフォリオを構築すると、でき上がったポートフォリオ自体も偏ったものになってしまう可能性があります。したがって、運用会社の中には独自のデータや判断を加えた自社ESGスコアを算出するところもあります。さらに、自社のESG関連ファンドや戦略において、ESGに関する定性的なデータを使用したり、ESGスコアには一定の傾向があるということを踏まえてポートフォリオを構築するなどの工夫もみられます。また現在、ESG情報の開示について国際的な標準化も検討されており、将来的にESGスコアの客観性や公平性が高まることで、既にあげた傾向の是正や、より正確なESGパフォーマンスの比較評価に繋がると期待されています。




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ESGスコアの傾向

一般的にESGスコアは、算出の際の評価対象となるESG情報の開示が標準化されていないことなどから、地域、業種、企業規模に一定の傾向が見られます。例えば、国別のESGスコアの集計を見ると、新興国の発行体よりも先進国の発行体の方が相対的に高いESGスコアが付与される傾向が見られます。また、先進国の中でも責任投資の考え方が早期から取り入れられ、ESG投資に関する法制度が整備されてきた欧州の発行体の方がスコアが高い傾向にあります。業種別では、情報技術セクター企業のESGスコアが高くなる一方で、企業活動における温室効果ガスの排出量が多いことなどから、エネルギーセクター企業のESGスコアが低くなってしまう傾向があります。企業規模別で見ると、中小企業よりも大企業の方がESGスコアが高くなりやすい傾向があります(図表1)。

図表1:ESGスコアの傾向

運用会社におけるESGスコアの活用と国際的な標準化

図表1のような傾向のあるESGスコアに基づいてポートフォリオを構築すると、株式ファンドであれば、組入上位を大型IT企業が占拠し、一方でエネルギー企業は全く含まれないといったポートフォリオになる可能性があります。

ESG評価機関によるESGスコアの算出手法がより洗練されることなどにより先ほどご紹介した傾向が解消されると期待されますが、運用会社の中には、ESG評価機関から提供されたESGスコアに独自のデータや判断を加えた自社ESGスコアを算出するところもあります。さらに、自社のESG関連ファンドや戦略において、ESGに関する定性的なデータを使用したり、ESGスコアには一定の傾向があるということを踏まえてポートフォリオを構築するなどの工夫もみられます。

また現在、ESG情報の開示について国際的な標準化も検討されており、将来的にESGスコアの客観性や公平性が高まることが期待されています。しかし一方で、国際標準ができたからといって、図表1で示しているような傾向が必ずしも解消されるとも限りません。例えば、世界的な大手IT企業は、人的・資金的に余裕があるため、ESG情報の十分な開示や対外的なアピールが可能です。したがって、国際標準ができたとしても、スコア上位の顔ぶれは変わらない可能性があります。しかし、少なくとも国際標準ができることで、評価の透明性は高まり、開示にかかるコストも抑えられることが期待できます。結果として、大手企業にかかわらずESG情報の開示が進み、今回指摘したような傾向の解消につながると考えます。



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