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- インドネシア株式市場急落の背景と当ファンドの投資戦略
●急落の背景は、MSCIが インドネシアの情報開示の不透明さを理由に格下げの可能性を示したこと
●当ファンドは、急落前に既にインドネシア株の組入れをゼロにしていた
●今後は、インドネシアが「ポジティブチェンジ」を示せば、再び組入候補となる可能性
2026年1月28日、インドネシア株式市場が急落しました。急落の背景は、株価指数算出会社であるMSCIが インドネシア市場の情報開示の不透明さを理由に、同国の市場区分が新興国市場からフロンティア市場へ格下げされる可能性もあり得ると発表したことに あります。現在、インドネシアはMSCI新興国市場指数の構成比 は2%未満と小さいものの、格下げは投資家の投資資金の流れに影響を与える可能性が あります。
■ 何が起きているのか?
MSCIはインドネシアを正式なレビュー対象とし、同国を「新興国(Emerging Markets)」として維持するべきか、それとも「フロンティア市場(Frontier Markets)」へ格下げすべきかを検討しています。
主な問題には、インドネシア株式市場には不透明な所有構造や取引があり、これらが本来の株価の決定を困難にしている点が挙げられます。
政府系投資ファンド「ダナンタラ」(国営企業の持ち株会社(7つの国営企業グループが傘下で、鉱山、インフラ、AI(人工知能)開発などの国策プロジェクトへの投資も行う))の土地や資産取得に関する不透明な構造が投資家の懸念を強めています。具体的には、インドネシア政府による、環境・ガバナンスの強化で、アストラグループ傘下のユナイテッド・トラクターズ(インドネシア、エネルギー)の子会社が運営する金鉱山の採掘許可の取り消しなどが行われました。ところが、政府はこれらの土地や権利の一部を「ダナンタラ」のような政府系ファンドへ再割り当てしようとしており、規制の一貫性や財産権の安定性、許認可制度の予見性、民間資本の扱いなどに対する投資家の懸念を高める要因となっています。
こうした動きなどを受けて、MSCIはインドネシア株式の銘柄の同株価指数への新規採用や、構成比の増加をすべて凍結しました。インドネシア当局が市場の透明性向上を十分に示せなければ、2026年5月までにインドネシアはMSCI新興国株価指数内での構成比の大幅削減、あるいはフロンティア市場への再分類(格下げ)の可能性があります。
■ これは何を意味するのか?
このような見直しは珍しいものではなく、過去にはスリランカ、ヨルダン、アルゼンチン、モロッコ、パキスタンなどの国々が同様の格下げを経験しています。
インドネシアは新興国市場の中でも外国人保有比率が高い市場で、新興国およびアジア太平洋のアクティブ/パッシブファンドで約350億ドルが投資されています。そのため、格下げが起きればパッシブ運用だけでも約23億ドルの資金流出が見込まれ、アクティブ運用による追加の売りも加わる可能性があります。
株価指数に関連する資金移動の影響だけではありません。最近のインドネシアの政策は、投資家の「投資適格性」の評価に影響を与えています。
こうした状況を背景に、投資家は財政状況の改善に向けて政府が今後どのような追加措置を講じるかも評価しています。特に、銀行など収益性の高いセクターに関して注視しています。
MSCIの審査でのネガティブな結果を避けるため、インドネシアの規制当局は浮動株の開示や投資家分類を改善する措置を検討しており、2026年5月のMSCIが設定する期限までに市場の透明性を高めることを目指しています。
■ 当ファンドにおけるポジショニング – 過去と見通し
当ファンドの投資プロセスは、定量分析(スクリーニング)とファンダメンタルズ分析を組合わせたもので、投資対象銘柄の入れ替えを行い、新興国の労働人口増加国に分散投資を行っています。スクリーニングでは、相対的に魅力的なバリュエーション(投資価値評価)で、かつ「ポジティブチェンジ(利益動向が上向きになるなどのポジティブな変化)」の証拠が確認できる企業を選定します。
過去1年で、当ファンドでは、インドネシアへの配分は段階的に縮小し、2024年12月の約8%から、2025年12月にはゼロまで組入比率を引き下げました。バリュエーションは魅力的であるものの、利益予想の継続的な下方修正が続いたため、現時点での組入れはゼロとしています。今後は、インドネシアの銘柄が「ポジティブチェンジ」を示し始めた場合、再び組入候補となる可能性があると考えています。
■ 新興国投資は、分散と“質の高いアクティブ運用”が鍵に
新興国市場は、地政学リスクや政策運営、ガバナンスなどの不確実性が先進国よりも相対的に高く、地域、業種、銘柄の分散投資がリスク回避においてより重要となります。 当ファンドでは、こうした市場環境に対応するため、定量スクリーニングとファンダメンタルズ分析を組合わせたアクティブ運用プロセスを通じて、地域ごとの投資環境や企業業績の変化に応じて、投資配分を機動的に調整しています。こうしたアクティブ運用ならではの対応力により、新興国市場で生じやすい急激な変動リスクの抑制を図りながら、長期的な新興国の成長性を見据え、調整局面でも長期的な投資機会を捉えることが可能になると考えます。
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