iTrustプレミアム・ブランド|欧州の主要高級ブランド企業における足元の株価動向と売上高動向

2026年04月16日

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● 2026年年初来、欧州の主要高級ブランド企業の株価は度重なる逆風を受けて低調

● 欧州の主要高級ブランド企業の2026年1-3月期の売上高では、イラン情勢の影響を免れきれなかったことが示された

● ただし、米国における高級ブランド需要は引き続き底堅いこと、中国の需要回復の兆しがみられることは明るい材料



年初来、欧州の主要高級ブランド企業の株価は度重なる逆風を受けて低調

2026年年初来、欧州の主要高級ブランド企業の株価は低調に推移しています。1月後半には、欧州に対するトランプ関税をめぐる新たな脅威を受けて、欧州の主要高級ブランド企業の株価は軒並み下落しました。2月にはそうした懸念がいったん後退したことなどから、株価は持ち直しましたが、2月末に米国とイスラエルがイランへの軍事攻撃を開始したことを受けて、3月初めには世界的な株安となり、そのなかで高級ブランド企業の株価は、中東地域での売上減少懸念や消費者心理の冷え込みなどが意識されたことなどから、先進国株式のなかでも相対的に下落率が大きくなりました。4月以降も、停戦合意への期待などを受けて反発する局面もありながらも、依然としてイラン情勢の先行き不透明感や、それによる実体経済に対するマイナスの影響への懸念が残ることが株価の重荷となっています。



欧州の主要高級ブランド企業における2026年1-3月期売上高|イラン情勢の影響を免れることはできず

こうしたなか、足元では複数の欧州の主要高級ブランド企業から相次いで2026年1-3月期の売上高が発表されました。

欧州の主要高級ブランド企業における中東地域の売上高は、全体の1ケタ半ば前後にとどまりますが、各社ともにイラン情勢の影響を免れることはできなかった模様です。

2026年1-3月期の売上高を既に発表しているLVMHモエ  ヘネシー・ルイ  ヴィトン(以下、本文中ではLVMH)は、イラン情勢の影響が1%ポイント程度の売上高成長率の押し下げになったと表明しました。また、ケリングの経営陣は、イラン情勢の影響により3月単月のグループ全体の売上高は3%ポイントの押し下げ、2026年1-3月期では1%ポイントの押し下げとなったと言及しました。エルメス・インターナショナル(以下、本文中ではエルメス)も、イラン情勢を受けて中東地域での売上が減少したほか、中東からの買い物客数減少がフランスでの減収につながったとしています。

一方、売上高でより大きな割合を占める米国については、LVMH、ケリング、エルメスとも底堅い需要があったことを示しました。また、中国をはじめとしたアジア(日本を除く)についても、LVMHやケリングでは需要回復の兆しを捉えている模様です。エルメスも、市場の高い期待には届かなかったものの、底堅い需要があったことを示しました。

※詳細は、「(ご参考) 既に発表があった当ファンド組入上位(2026年3月末時点)の欧州の高級ブランド企業について」も併せてご参照ください。


今後のイラン情勢、原油価格動向などを注視

欧州の主要高級ブランド企業の中東での事業エクスポージャーは、プレミアム・ブランド企業群のなかでは相対的に大きいといえますが、前述の通り、売上高全体に占める割合は1ケタ半ば前後と大きくはありません。米国、欧州、アジアなどグローバルに事業を展開しており、中東地域に依存しているわけではありません。

しかし、その一方で、原油価格の動向については懸念しています。原油価格が高止まりした場合、消費者心理の悪化、家計の購買力低下、旅行需要の減少などが引き起される可能性があります。欧州の高級ブランド企業をはじめプレミアム・ブランド企業の株価は、消費者心理の影響を大きく受ける傾向がみられるため、イラン情勢を巡る動向については注視する必要があると警戒しています。

プレミアム・ブランド企業の2026年1-3月期決算の発表はこれから本格化していきます。今後の発表内容についても十分注意を払っていく方針です。


(ご参考) 既に発表があった当ファンド組入上位(2026年3月末時点)の欧州の高級ブランド企業について

LVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(組入第2位)

2026年1-3月期の売上高(為替変動等の影響を除くベース)は、前年同期比+1%にとどまりました。地域別には、欧州が、域外からの旅行者による購入減少が響き同-3%となったほか、日本も同-3%と低調でした。また、中東地域については、売上高の規模は全体の6%程度であるとし、年初は非常に好調な滑り出しだったものの、3月以降はイラン情勢の打撃を受け、2026年1-3月期の売上高成長率を1%ポイント程度押し下げたとしています。

その一方、米国は引き続き底堅く(同+3%)、アジア(除く日本)も中国における需要回復がけん引したことから同+7%となりました。成長をけん引する米国と中国をはじめとしたアジア(除く日本)が、ポジティブな売上動向が示されたことは、安心材料になるとみられます。




エルメス・インターナショナル(組入第8位)

2026年1-3月期の売上高(為替変動の影響を除くベース)は前年同期比+6%となり、市場予想(+7%超)をやや下回りました。地域別には、米国を中心とする米州は引き続き堅調(同+17%)であったほか、中国をはじめとしたアジア(除く日本)についても、市場の高い期待(市場予想は同+6%弱)には届かなかったものの、同+2%と底堅さを示しました。一方、中東地域(売上高の規模は全体の4%程度)については、同-6%の減収となりました。また、中東からの買い物客減の影響などから、フランスが同-3%と低調でした。




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