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大型財政政策に現実味、景気敏感株式のさらなる引き上げも
2021/01/22

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概要

米ジョージア州で行われた上院決選投票を受け、バイデン次期政権下での大型財政政策が米国を中心に世界経済の回復の追い風になるとの期待が高まっています。そのため、株式部分では景気敏感株式の組入れを引き上げる一方、割高な成長株式ついては引き下げを検討します。債券部分では、国債の保有を抑制し、金利上昇に備える方針です。



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12月の投資環境と運用状況

世界の株式市場は、月初から新型コロナウイルス・ワクチンの認可・接種が進展する中、11月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)が良好だったことや、米国の追加経済対策への期待などから上昇基調となりました。さらに米連邦公開市場委員会(FOMC)後の声明で米国の緩和的な金融政策の継続が表明されたことも株価の上昇要因となりました。その後、新型コロナの変異ウイルスによる感染ペース拡大への懸念で一時、下落しましたが、英国と欧州連合(EU)が通商協定で合意に至ったことや2021年の景気回復期待などを背景に月末にかけて上昇し、月間でも上昇しました。

世界の国債市場は月初、堅調な中国の経済指標や新型コロナウイルスのワクチンの認可の広がりや接種の開始、さらに米国における追加経済対策の年内合意の期待などを背景に下落(利回りは上昇)しました。しかし月半ばにかけ、欧州中央銀行(ECB)の金融緩和政策への期待、新型コロナの変異ウイルスによる感染ペース拡大への懸念などを受けて上昇(利回りは低下)しました。その後月末に向けては年末を背景に閑散とした取引となり、月を通せば小幅な動きに留まりました。

ドル・円為替市場は、新型コロナの変異ウイルスによる感染ペース拡大への懸念が高まったことや、FOMCで金融緩和政策の継続が表明されたことなどを背景に、円高・ドル安となりました。ユーロ・円為替市場は、ユーロ圏の経済対策でユーロ圏景気が下支えされるとの観測が高まったことや、新型コロナウイルスのワクチン接種が欧州でも開始される運びとなったことなどから、円安・ユーロ高となりました。

当ファンドの基準価額動向をみると足元では、2020年3月23日を底に株式市場が反発したことを受けて、引き続き回復基調が続き、2019年末比でプラスのパフォーマンスで2020年を終えました。また、基準価額は2020年12月前半に設定時の10,000円を超える水準へと回復しており、2021年1月12日時点では10,522円となりました。

主な投資行動:株式の組入比率をさらに引き上げ

資産配分では、株式の組入れを引き上げ、債券やキャッシュなどの組入れを引き下げました(図表4参照)。

株式部分の組入比率の変動は概ねコール・オプションの値上がりによるもので、主な取引としては一部銘柄の入替えなどを実施しました。具体的には、日本株式を一部売却し利益確定した一方で(図表5の①)、情報技術銘柄中心のナスダック100先物や米国小型株式で構成されるラッセル2000種先物などの米国株式の組入れを引き上げました(同➁)。また新興国株式では、中華圏株式の一部をより広範な新興国に投資するMSCI新興国先物にシフトし、より分散されたポートフォリオを目指した運用を行いました(同③)。

債券部分では、デュレーションを短期化するため、ドイツやオーストラリア、米国の国債を一部または全部売却した(同④)ほか、スプレッドの縮小を受けて、世界投資適格社債を全部売却しました(同➄)。


オルタナティブ部分では、コモディティ指数ETFを購入するなど(同⑥)しました。

基準価額の変動要因:株式が大きくプラス寄与

このような環境下、当ファンドの基準価額は前月末比で上昇しました。株式部分では、世界環境関連株式や世界プレミアムブランド株式などが上昇し、世界株式が主なプラス寄与要因となりました(図表5➆)。また、ナスダック100先物などの北米株式、日経平均株価指数先物などの日本株式なども収益を計上し(同⑧)、株式全体で見ても基準価額の上昇に寄与しました。債券部分では、先進国国債や新興国債券が概ね横ばいでの推移(同➈)となったものの、グローバル転換社債型新株予約権付社債が上昇(同➉)したことで社債がプラス寄与となり、全体でもプラスの寄与となりました。

株式:景気回復の恩恵を受ける市場・業種に注目

2021年の世界の株式市場も上昇が継続する可能性が高いと考えられます。中央銀行による資金供給のペースは鈍化する公算が大きい一方で、世界各国の大型景気対策が世界経済の回復を下支えると期待されるほか、中国経済のV字回復が、企業の利益成長に寄与すると予想されます。また、新型コロナウイルス・ワクチンの普及に伴い、経済回復への確信度が増すにつれて、企業の投資や家計の消費が拡大すると考えられます。

しかし、バリュエーション水準の高止まりや、新型コロナウイルス感染の第3波が経済に打撃を及ぼすリスクが残されている点などから、大幅上昇とまではいかないとみています。


市場別では、アジアの新興国が、中国経済の力強い回復の恩恵を引き続き享受すると考えます。中国の経済活動はコロナ禍前のトレンド水準を回復しています。

日本も堅調なアジア経済と世界貿易回復の恩恵を享受することが予想されます。政府は2020年12月8日、事業規模73.6兆円の第3次追加経済対策を閣議決定しており、消費需要の喚起が期待され、日本市場についても注目です。


米国株式については、さらに割高感が強まっているように思われます。米国市場では株式発行が特に活況を呈しており、市場の過熱感が強まるリスクが示唆されます。加えて、グローバル経済がロックダウン解除を経て回復していく状況では、米国市場は(特に割高感の目立っている)テクノロジー・セクターの組入れ比率が高いことから、向かい風を受けることとなると考えています。

業種別では、世界貿易や設備投資の回復から恩恵を受けることが期待される資本財・サービスや素材セクターなどが注目されます。一方、情報技術(IT)セクターは2020年の大幅上昇や規制強化の動きなどを勘案すると、注視が必要と考えます。

債券:引き続き新興国債券市場に注目

マイナス利回りで取引されているグローバル債券の時価総額は18兆ドルと過去最高を更新し、米国を除く世界の全ての国のGDPの規模を上回っています。

そのような中、新興国債券全般、とりわけ中国国債が、プラスの実質利回りの源泉として傑出しています。直近の経済統計から確認されるのは、中国経済が極めて堅調だということです。全ての産業セクターがコロナ禍前の活動の水準を回復し、(世界貿易に占める中国貿易の比率は過去最高水準に達するなど)輸出が急増する一方で、インフレは抑制されています。加えて、中国10年国債の米国10年国債に対するスプレッドは過去最高水準に達していることから、人民元建て債券に対して強気な姿勢を維持しています。

新興国通貨がドルに対して割安な水準にあると考えており、新興国通貨が今後数ヵ月のうちに上昇すれば、向こう数ヵ月、現地通貨建て新興国債券価格の押し上げ要因となると考えています。従って、現地通貨建て新興国債券も注目しています。

先進国社債の先行きは微妙です。今後の流動性の状況は現状ほど良好とは限らず、超緩和的な金融政策の恩恵を大きく受けてきた社債は苦戦を強いられる可能性があると考えます。特にハイイールド債には極めて慎重な姿勢を維持します。景気循環の現在の局面では格下げ等、信用の悪化が珍しくないことに加え、債券の新規発行が相次いでいるからです。

一方で、先行きが最も明るいと考えるのは、財政刺激策と金融緩和策双方の恩恵を受けることが予想される米国投資適格社債だと考えています。追加の財政刺激策が近日中にも発表され、新型コロナウイルス感染者の急増による経済への打撃が相殺されると予想していることが同資産クラスにとっての支援材料になるになる可能性があると考えています。

今後の運用方針

マクロ環境については、世界全体では新型コロナウイルス・ワクチン認可・接種の進展にともなって、経済の正常化の動きは今後も継続するものとみています。国や地域別に見ると、米国では新型コロナウイルスの感染が急速に広がりを見せているものの、大規模な財政政策が下支となり、世界経済の回復を牽引していくものと考えています。また中国では、力強い景気回復が今後も継続すると見ており、日本を含むアジア諸国や新興国など外需に敏感な国や地域が恩恵を享受することも期待されます。一方欧州では、新型コロナウイルス抑制のため再び都市封鎖などに踏み切っている他、英国のEU離脱に伴う短期的な混乱も予想され、景気の下振れリスクを警戒しています。流動性については、引き続き中央銀行による潤沢な資金供給がなされており、緩和的な環境が継続してますが、中長期的に見れば追加的な資金供給は徐々に落ち着いていくことが予想されることから、流動性相場は近く一巡するとみています。バリューエーション(投資価値評価)については、大規模な流動性供給に支えられ、幅広い資産が割高な水準にあると考えています。

こうした中で、今後は経済正常化に伴う業績回復がポイントになると考えています。株式部分では特に世界貿易や設備投資環境が活発化することも予想されることから、景気敏感株式を選好する方針です。具体的には、新興国や日本などの国や地域に加え、セクターでは資本財や素材、一般消費財などに注目していきます。一方で、電子決済などの長期的な成長テーマを有する銘柄の保有も継続する方針です。債券部分では、インフレの昂進リスクなどに備え先進国国債などの保有を縮小し金利感応度を抑制する他、社債についてもスプレッドの縮小に伴って割高感が意識されることなどから積極的な投資は控える方針です。中国債券については、相対的に高い利回りと分散効果が期待されることから引き続き選好します。オルタナティブ部分では、リスクヘッジや分散などの観点から、引き続き金などの実物資産に注目する他、市場の下値に対するヘッジとしてVIX指数先物の保有を継続します。



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