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- FRB 利上げへ
3月4日に発表された2月の米国雇用統計は、労働市場の需給ひっ迫を確認させるものだった。3月15、16日のFOMCにおいて、FRBは利上げに踏み切るだろう。ウクライナ情勢が経済に与えるインパクトは不透明だが、資源価格の上昇を通じてインフレを加速させる可能性は否定できない。今後、FRBは景気と物価の優先順位について、難しい判断を迫られるのではないか。
FRB:3月15、16日のFOMCで利上げへ
2月の米国雇用統計における非農業雇用者数は、新型コロナ禍前の2019年12月と比べた場合、依然として139万人少ない水準だった。もっとも、最悪期であった2020年4月は2,128万人減っており、そこからの回復率は95.5%だ。産業別求人数が労働人口の2.4%に相当する1千万人を超えるなか、失業率は完全雇用状態と言える3.8%へ低下、米国の労働市場は正常化を通り越してひっ迫感が強まっている。
結果として平均時給は前年同月比5.1%上昇、高水準の伸びを持続した。サービス産業のウェートが高い米国経済の場合、消費者物価は賃金に連動する傾向が強い(図表1)。ウクライナ危機に関連して日米欧主要国はロシアへの経済制裁を強化しており、石油、天然ガス価格の高騰は物価上昇圧力として作用するだろう。米国経済は1980年代以来のインフレ期に突入しようとしているのではないか。
FRBのジェローム・パウェル議長は、3月2日、連邦下院金融サービス委員会での証言において、「2%を大きく超える物価上昇と強い労働市場に鑑み、次のFOMCにおいてFFレートの目標レンジを引き上げることが適切と考える」と語った。ウクライナ危機による景気の先行き不透明感はあるものの、むしろ原油、天然ガスの高騰下でインフレ圧力のコントロールは持続的成長への最優先課題だろう。来週のFOMCで25bpの利上げが実施される可能性は極めて高いと考えられる
景気と物価:インフレ抑制が優先される可能性
ジョー・バイデン大統領は、8日、ロシアからの石油、天然ガスの輸入を禁止すると発表した。ウクライナでは一般国民への被害が拡大しており、同国での戦闘行為の結果に関わらず、ウラジミール・プーチン大統領の政権が続く限り、ロシアの国際社会への復帰には相当な時間を要するだろう。それは、天然ガスの純輸出で世界シェア40%、石油の純輸出でも第2位の資源大国による燃料の供給が急速に細る可能性を示唆している。欧州諸国、そして日本などが非ロシア産の資源調達に走る結果、一段の価格上昇を招くのではないか。
米国の金融市場では、インフレ連動債と10年国債の利回りから算出した期待インフレ率が3%に接近している(図表2)。足下の消費者物価の上昇にも関わらず、市場が織り込むインフレ率は落ち着いていたが、ウクライナ危機の深刻化を受けマーケットのセンチメントは変化しつつあるようだ。
今後の焦点は、物価上昇率の推移と共に、FRBがどの程度の利上げを行うかだろう。パウエル議長は、議会証言で「強い労働市場を支えるために我々ができる最善の方法は、長期的な景気拡大の創出であり、それは物価安定の環境下のみで可能である」と語った。インフレの加速はスタッグフレーションを招きかねないため、景気を一定程度犠牲にしても、FRBは物価抑制を重視する可能性が強い。利上げの回数、ペースを今から想定するのは早計なのかもしれない
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