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- 1ドル=130円は終点なのか?
ゴールデンウィーク明けに円は対ドルで131円台まで下落したが、その後は126円台へと切り返した。市場には130円を円安のメドとする見方もある。しかし、1)日米の実質金利差、2)円キャリートレードの可能性、3)日米で真逆の金融政策・・・3つの理由から、中長期的な円安のトレンドは変わっていないと考える。米国のバイデン政権も、インフレ抑制のため強いドルを望むだろう。
日米短期金利差:FRBの利上げなどにより縮小へ
日米実質金利差は、円/ドル相場の方向性に大きな影響を及ぼしてきたと考えられる(図表1)。足下、このスプレッドは急速に縮小中だ(図表1)。米国の金利が上昇し、日本の消費者物価上昇率が2%台となったことが理由である。
FOMC参加者18人による2022年末のFFレートの見通しは足下、1.75〜2.00%が中央値だ。雇用市場が堅調なことから、バイデン政権、FRB共に足下はインフレの抑制を重視しており、6月14、15日の次回FOMCを含めてFRBは利上げを継続するだろう。また、米国の消費者物価上昇率は高水準が続くとしても、エネルギー価格の影響が緩和されるに従い、現在の前年同月比8%台よりは落ち着くのではないか。
一方、日本では今後も企業による価格転嫁が進むと見られ、消費者物価は上昇基調が予想される。もっとも、日銀には利上げを行う意図は全くないようだ。黒田東彦総裁は、4月28日に行われた政策決定会合後の会見において、エネルギー主導の物価上昇は「持続性に乏しい」とした上で、「政策金利については、現在の長短金利の水準、またはそれを下回る水準で推移することを想定している」と語った。
結果として日米の実質金利差はさらに縮小するだろう。また、両国の名目金利差を利用して、円で資金を調達し、ドルで運用する円キャリートレードが拡大する可能性もある。これらは、為替を円安に誘導する要因に他ならない。
量的な面での金融政策:日米は真逆の政策を実施
日銀はイールドカーブ・コントロール付き量的・質的緩和を継続し、10年国債の利回りを0%±0.25%の範囲に止めるため、現在は連続指値オペを実施している。これは、インフレ圧力が強まり、市場金利が上昇する局面において、日銀が国債を購入するため、実質的な量的緩和に他ならない。
他方、FRBは6月からの資産圧縮を決めた。つまり、量的な面に関して日米の金融政策は真逆になるわけだ。
過去の例を見ると、日米のマネタリーベースの供給速度の違いは、円/ドルレートに一定の影響を与えてきた(図表2)。第2次安倍政権の初期の段階でも、黒田総裁率いる日銀の異次元の量的緩和の効果として、1ドル=100円を超える円高の反転に貢献したと言えそうだ。
日米両国の中央銀行による真逆の金融政策が、通貨供給速度相対指数を低下させることにより、円の下落を促す可能性は否定できない。そうしたなか、インフレ期待が強まるに連れ、通貨価値の下落を見越して外貨へ資金を動かす企業や個人が増えるシナリオも現実味を帯びる。
政治的に見た場合、バイデン大統領にとり、ドル高はインフレ対策の一環に他ならない。従って、今のところ円安・ドル高に傾いた為替を問題視せず、むしろ歓迎しているのではないか。1ドル=130円は通過点の可能性があると考えるべきだろう。
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