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- バイオ|2023年7-9月のピクテ・バイオ医薬品マザーファンドの振り返りと今後のポイント
●2023年7-9月にピクテ・バイオ医薬品マザーファンドは上昇、パフォーマンスは米国株式を小幅に上回る
●金利の高止まりには警戒が必要だが利益成長期待は継続、M&Aの動きにも注目
■ 2023年7-9月にピクテ・バイオ医薬品マザーファンドは上昇、パフォーマンスは米国株式を小幅に上回る
ピクテ・バイオ医薬品マザーファンドの基準価額は、2023年7-9月に+1.7%の上昇となりました。株式要因は基準価額にマイナス寄与となったものの、為替要因がプラス要因となりました。また米国株式(S&P500種株価指数)の+1.3%(円ベース)を小幅ながら上回りました(図表1参照)。
2023年7-9月のバイオ医薬品株式市場(ナスダック・バイオテクノロジー指数)は、底堅い米国経済を背景に米国金利の高止まりが長期化するとの懸念や、中国経済の成長見通しが不透明なことなどを背景に株式市場が不安定な展開となる中、同様に金利上昇の影響などを受けて下落しました。為替は、日銀が金融緩和策を継続している一方、米国では政策金利が長期にわたり高水準で維持されるとの見方が強まったことなどから円安・米ドル高となりました。
2023年7-9月にピクテ・バイオ医薬品マザーファンドのパフォーマンスへのプラス寄与となった銘柄としては、アムジェン(米国)、リジェネロン・ファーマシューティカルズ(米国)などが挙げられます。両社とも2023年4-6月期の良好な決算と通期見通しの上方修正を発表したことなどが好感され株価が大きく上昇しました。またアムジェンは、米連邦取引委員会(FTC)がホライゾン・セラピューティクスの買収阻止を取り下げたこと、同社の肥満治療薬候補への期待の高まりなども株価の上昇要因となりました。
一方、マイナス寄与となった銘柄としては、モデルナ(米国)、バイオジェン(米国)などが挙げられます。モデルナは新型コロナワクチンの需要減により純利益が赤字となったことなどが、バイオジェンは予想を上回る2023年4-6月決算を発表したものの、1,000人の人員削減を発表したことなどが影響し、それぞれ株価が下落しました。
■ 今後のポイント~金利の高止まりには警戒が必要だが利益成長期待は継続、M&Aの動きにも注目
バイオ医薬品企業は金利水準に敏感な一面があることから、米国や欧州などの政策金利が長期にわたり高水準で維持される可能性が高まっている点には注意が必要と考えます。また新型コロナ関連の売り上げが多かった企業については、感染の収束により業績面で逆風に直面する可能性があります。
一方で、バイオ医薬品企業は、長期的に世界の人口増加と高齢化が同時に進展することが予想される中で、画期的な治療薬を提供し続けるものと予想され、相対的に高い利益成長が期待されます。また魅力的な新薬候補や高い技術力を求め、大手医薬品企業によるバイオ医薬品企業をターゲットとしたM&A(合併・買収)の動きは、2023年に入りファイザー(米国)によるシージェン(米国)の買収(買収金額:約430億米ドル)やアムジェンによるホライゾン・セラピューティクスの買収(買収金額:約278億米ドル)などの大型案件がみられるなど、足元、堅調に推移しています。このようなM&Aの動きは今後も継続することが期待され、バイオ医薬品株式にとってプラスに寄与するものとみています。
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