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- バイオ|ブループリント・メディシンズをサノフィが91億米ドルで買収
●米バイオ医薬品企業ブループリント・メディシンズを仏大手医薬品企業サノフィが約91億米ドルで買収
●大手医薬品企業は有力な治療薬やパイプライン(新薬候補)獲得の選択肢のひとつとして、バイオ医薬品企業をターゲットとしたM&Aを実施
米バイオ医薬品企業ブループリント・メディシンズを仏大手医薬品企業サノフィが約91億米ドルで買収
2025年6月2日、仏大手医薬品企業サノフィが、米国のバイオ医薬品企業ブループリント・メディシンズを1株あたり129米ドル、総額約91億米ドルで買収することを発表しました。なお買収金額の1株あたり129米ドルは、前営業日(2025年5月30日)の株価101.35米ドルを27%上回る水準となっています。
またブループリント・メディシンズの買収前の株主は、開発中のパイプライン「BLU-808」の開発状況などに応じて追加で支払いを受ける権利(コンティンジェント・バリュー・ライト(CVR))を受け取ることから、権利に応じて支払いが全て行われた場合の今回の買収総額は、95億米ドルとなります。
ブループリント・メディシンズは希少免疫疾患の治療薬開発に強みを持つバイオ医薬品企業です。同社の主力である全身性肥満細胞症(SM)などの治療薬アイバキットは、売上高が2025年に7億米ドルを超えると予想(ブルームバーグ集計アナリスト予想平均、2025年6月3日時点)されています。また新しいSM治療薬候補「BLU-808」なども有望なパイプラインとして注目されています。
希少免疫疾患の治療薬開発に強みを持つブループリント・メディシンズの買収は、サノフィにとって同社が注力している免疫学分野の強化につながることが期待されます。
大手医薬品企業にとって、バイオ医薬品企業をターゲットとしたM&Aは、有力な治療薬やパイプライン獲得のための手段のひとつ
主力の治療薬の特許切れなどに直面する大手医薬品企業や大手バイオ医薬品企業にとって、バイオ医薬品企業をターゲットとしたM&A(合併・買収)は、有力な治療薬やパイプライン、技術・知見が獲得でき、成長の継続や主力医薬品の特許切れの問題を解決する有効な手段のひとつとなっています。
一方で、買収の際には、市場価値に買収プレミアムが上乗せされた価格が提示されることが多く、その場合、買収されるバイオ医薬品企業の株価は大きく上昇します。またM&Aが活況となれば、今後、M&Aのターゲットとなる可能性が高いとみなされたバイオ医薬品企業にも投資家の注目が集まり、バイオ医薬品株式市場全体のパフォーマンスを押し上げる要因にもなります。
2025年はバイオ医薬品企業をターゲットとしたM&Aの回復が期待される
大手医薬品企業によるバイオ医薬品企業をターゲットとしたM&Aは、2024年は米国大統領選挙を控えていたこともあり、ここ数年の中では低調な水準となりました。2025年についても、トランプ政権のヘルスケア関連の政策などが不透明要因となっていますが、M&Aは回復傾向にあり、買収金額の合計は6月3日時点で2024年の1年間の額に近づいています(図表3参照)。
2025年の年初来では今回のサノフィによるブループリント・メディシンズの買収案件のほかにも、ジョンソン・エンド・ジョンソン(米国)によるイントラセルラー・セラピーズ(米国)の買収(2025年1月13日、約146億米ドル規模)、メルク(ドイツ)によるスプリングワークス・セラピューティクス(米国)の買収(2025年4月28日、約39億米ドル規模)など複数の大型案件が成立しており、買収金額の増加に寄与しています。
前述の通り、特許切れ問題に直面する大手医薬品企業にとって、M&Aは事業を拡大する上で重要な選択肢のひとつとなっており、魅力的な新薬候補や高い技術力を有するバイオ医薬品企業は、引き続きM&Aのターゲットとして注目を集めるものと考えます。
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