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加速するESG投資~「グリーン・シフト」が公益企業の追い風に
2021/02/25

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概要

公益企業に追い風となる「グリーン・シフト」のドライバーとして3つの注目ポイントがあります。1)グリーン・シフト(脱炭素)政策の本格化、2)イノベーション(技術革新)によるコスト低下、3)ESG投資・エンゲージメントが企業を変えるという3点です。これらは、クリーンエネルギー企業の持続的な成長と持続的な投資家へのリターンをもたらし、エネルギーの主役が石油メジャーからクリーンエネルギー企業への交代につながると考えます。



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公益企業に追い風となる「グリーン・シフト」のドライバー、3つの注目ポイント

2005年の当ファンドの設定来これまでを通じて、今ほど、公益セクターを取り巻く先行きの環境が明るかったことはないとみています。地球温暖化の脅威に対応するためクリーンエネルギー政策が本格化するなかで、風力・太陽光による発電コストの低下がクリーンエネルギーの拡大を後押ししています。この「グリーン・シフト」(脱炭素化への移行の局面)には複数の成長のけん引役(ドライバー)がありますが、地球環境のために正しい行動を取ること(地球環境に配慮して行動すること)によって、結果として投資収益の向上に資すると考えます。

この公益企業に追い風となる「グリーン・シフト」のドライバーとして3つの注目ポイントがあります。1)グリーン・シフト(脱炭素)政策の本格化、2)イノベーション(技術革新)によるコスト低下、3)ESG投資・エンゲージメントが企業を変えるという3点です。

1つ目は、世界各国政府が「グリーン・シフト」を全面的に支持していることです。再生可能エネルギー投資を促進するため、欧州連合(EU)は1兆ユーロ規模の「グリーン・ディール」に合意しています。バイデン米大統領も、2兆ドルの投資計画を発表しています。また、(平均気温の上昇幅を産業革命前の水準から摂氏2度以内に抑えるとの)「パリ協定」の目標に多くの国が賛同し、2050年あるいは2060年までの二酸化炭素(CO2)発生源の削減を公約しています。また、主要国が2030-2040年にかけて、従来型のガソリン車の新車販売を禁止することで、電気自動車の普及率が急速に高まると予想されます。

2つ目は、イノベーション(技術革新)や普及拡大による規模の経済効果によって風力発電や太陽光発電ならびに蓄電池のコストが化石燃料並あるいはそれ以下に大幅に低下したため、化石燃料に替えてグリーン(再生可能)エネルギーを使うことで収益が改善される状況になっている点です。

3つ目は、投資面でも、地球環境にとって正しい行動が求められ、全ての利害関係者を公平に扱う企業に注目する投資家が増えています。持続可能な社会への関心の高まりから、ESG(環境、社会、ガバナンス) 投資に注目した投資資金が拡大しています。ピクテでは、企業に直接エンゲージメント(対話)を行って、「グリーン・シフト」を促しています。加えて、2017年12月に発足し、複数の機関投資家と協働で気候変動に関して改善が必要な企業にエンゲージメントを行う、気候変動イニシアチブ「気候変動に対応するための行動100+(CA100+)」等の組織に参加し、企業を正しい方向に導くことに貢献しています。エンゲージメントが功を奏した企業の株価は上昇傾向です。

【脱炭素政策の本格化】グリーン・シフト(脱炭素化)の第一の波と電化の第二の波

ピクテでは、「グリーン・シフト」が二つの「波」で構成されると考えます。現在は、「第一の波」、即ち、「グリーン化(脱炭素化)の波」、のさなかにあると考えます。これは、発電時の二酸化炭素(CO2)排出量の削減を進める局面です。下図にあるように石炭や天然ガス発電が年々減少する一方で、風力や太陽光発電は大幅な増加が予想されています。こうした状況が「第一の波」をけん引しています。「第一の波」は極めて強力で、今後10年前後、継続することが予想されます。

同時に今後数年ほどのうちに、「第一の波」よりも更に強力な「第二の波」、即ち、「電化の波」、への移行が予想されます。「第二の波」の局面では、暖房、交通・運輸、製造工程等で、電力がその他のエネルギーに取って代わることとなります。2030年以降の進捗状況は、下図に示した電気自動車の普及予想などに反映されると考えます。


公益セクターがCO2排出量削減の鍵を握る

業種別二酸化炭素(CO2)排出量の割合では、電力発電業界が占める発電および熱生産が40%超と最大です。CO2排出量を削減するには発電源を変える必要があるということです。現時点では、CO2を排出する発電源が発電源全体の65%を占めていますが、こうした状況は急速に変わりつつあります。

コスト低下で公益業界に経済的メリット

再生可能エネルギー発電のコストは大幅に低下しています。太陽光発電の場合は過去10年でコストが82%削減されており、風力発電の場合も、陸上、洋上発電ともに、同様です。下のグラフの赤の四角は、CO2を排出する化石燃料による発電のコストを示しています。一方、再生可能エネルギーの現時点での発電コストを示す濃いグリーンの棒グラフは既に赤い四角の中にあり、コスト削減の状況が続いています。公益企業にとっては、収益面でのドライバーでもあるということになります。

【エネルギーの主役交代】石油メジャーからクリーンエネルギー企業へ

世界のエネルギー源別エネルギー消費に占める割合をみると、グリーン(再生可能)エネルギーの構成比率は、現在のところ、4%に過ぎませんが、2050年には50%近くに達することが予想されています。


 

株式市場は、こうした「グリーン・シフト」を既に織り込み始めています。現在米国のクリーンエネルギーのリーディング企業であるネクステラ・エナジーの株式の時価総額は、かつては石油メジャーの数%にしか過ぎませんでしたが、現在は多くの石油メジャー企業を上回って推移しており、足元ではエネルギー企業のなかで時価総額最大の米国石油メジャーであるエクソンモービルの時価総額を上回りつつあります。


銘柄紹介:ネクステラ・エナジー(米国) 米国最大、世界最大級のクリーンエネルギー電力企業

【会社概要】

クリーン(再生可能)エネルギーの世界的なリーダー。傘下の事業会社を通じ米国フロリダ州を中心とする規制下事業とフロリダ州外での風力・太陽光発電を中心とした再生可能エネルギーに注力。

【注目ポイント】

風力や太陽光発電コストの大幅低下の恩恵を受け増益・増配を達成。

一株あたり利益2021-2022年 年率+6~8%、増配2021-2022年 年率+10%を目指す。

 

 

 


個別の銘柄・企業については、あくまでも参考であり、その銘柄・企業の売買を推奨するものではありません。


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