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- 足元の世界公益株式動向と見通し
●SVBの問題発生後、金融市場では信用不安が高まり、株価の変動が大きくなっている。
●公益企業の業績は底堅く成長見通しも良好だが、金融市場の大きな調整局面では影響を受けるため注視が必要。一方、株価の調整は中長期的な投資機会とみる。
■ 足元の世界公益株式の調整の背景
米国のシリコンバレー銀行(SVB)をはじめ、相次ぐ銀行の破綻を背景に金融市場では金融不安が高まり、株価の変動が大きくなっています。欧州ではスイス最大手の金融機関であるUBSが経営不安が高まっていたクレディ・スイス・クループの買収を発表し、同社が発行していた「AT1債」と呼ばれる社債が無価値になると発表されました。米国の地方銀行では預金流出が続いており、極めて不安定な状況が続いています。このような状況下、3月22日に米連邦準備制度理事会(FRB)は0.25%の利上げを行いましたが、FRBは年内の利下げへの転換を明言しませんでした。市場では、信用収縮を相殺するためには年内の利下げが必要である一方、インフレが収まらず、更なる利上げが必要となれば、銀行の破綻は連鎖する可能性があると警戒されており、先行き懸念が高まっています。
シリコンバレー銀行の破綻後、世界公益株式はディフェンシブ性が注目され、世界株式をアウトパフォームしていますが、その後世界株式市場の反発でアンダーパフォームする局面もあり、価格変動が大きくなっています。
■ Q. 公益企業の資金調達は問題ないか?
このような信用収縮のなかでも、公益企業の資金調達には大きなマイナスの影響はないとみています。公益企業は長期債券を発行しており、信用収縮が最大となった時期(2009年など)でも、事業リスクが相対的に低い事業構造であることから資金調達に大きな問題は生じませんでした。
このように市場の不確実性が高い環境は、国債のような安全な資産への資金流入をもたらし、利回りはあらゆる年限で低下しています。また、米連邦準備制度理事会(FRB)の金融緩和への転換期待によって、実質利回りが低下していることから、金価格が上昇しています。ここ数週間で、経済と利益成長に対するリスクは明らかに上昇しています。
ウクライナ危機をうけて、急上昇した電力料金の下落(および商品価格の下落)は、電力会社の顧客にとってはプラスであることから、公益企業は電力需要や規制面でのマイナスの影響を受けにくくなるため、セクターの事業環境は改善しつつあります。こうしたなか、グリーンシフトにより長期的な収益拡大が期待される公益事業会社は、魅力的なポジションにあると言えます。
■ Q. 今後の見通しと投資戦略は?
こうしたなか、公益セクターは引き続き業績の実績や見通しが相対的に安定しています。ただし、底堅い業績ではあるものの、信用不安が拡大し、金融市場全体が大きく下落した場合には、リーマンショックなど過去に市場の大きな調整局面でも影響を受けたように、公益企業の株価もマイナスの影響を避けられないと考えられ、注意が必要です。
経済や金融市場の先行き不透明感が高まるなか、公益事業は生活に必要不可欠なサービスを提供し、グリーンシフトによる長期的な成長期待もあることから、こうした大きな株価の調整局面は公益株式の中長期的な投資機会を提供する可能性もあると考えます。
当ファンドではこうした市場全体の下落による株価の調整を投資機会と捉え、エクセロン(米国、電力)、センターポイント・エナジー(米国、総合公益事業)、アトモス・エナジー(米国、ガス)、アライアント・エナジー(米国、電力)など、業績見通しが底堅く、バリュエーション面(投資価値評価)などで魅力が増した米国の銘柄を中心に組入比率を引き上げました。
■ 世界公益株式と世界株式パフォーマンス
過去の実績では、世界の株式市場の大きな調整局面では、世界公益株式は相対的に安定した公益事業のディフェンシブ性などを背景に、相対的に低い下落率にとどまりました。
■ 低いデフォルト率
公益企業は日常に必要不可欠なサービスを提供し、安定した事業基盤を持っていることから、他の業種と比べて、市場のショック時でもデフォルト率は相対的に低くとどまりました。過去30年余りの実績でも、デフォルト率(債務不履行率)は最低水準となっています。
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