Article Title
グロイン | 金利上昇局面で世界公益株式に投資すべきか否か?
2022/06/30

Share

Line

LinkedIn

URLをコピー


概要

●過去の実績では金利の急上昇時には短期的に世界公益株式は下落傾向
●中長期的にみると金利上昇局面では世界公益株式は上昇
●スタグフレーション時に相対的に強みを発揮する公益株式の見通しや投資方針に変更なし



Article Body Text

米国の大幅利上げ懸念から世界公益株式は下落

金融市場では物価が高騰するなか、主要中央銀行の金融政策動向に一喜一憂する展開となり、株価の変動が大きくなっています。

当ファンドの投資対象である世界公益株式は、6月に入り、米国の更なる利上げを前にして長期金利が急上昇したことから、大きく下落し、基準価額の下落要因となりました。6月15日には米連邦準備制度理事会(FRB)による0.75%ポイントの利上げが実施されましたが、パウエルFRB議長は「この幅での利上げが普通になるとは想定していない」と発言しました。この発言が、市場に安心感をもたらし、金融市場は落ち着きを取り戻し、長期金利は低下、公益株式をはじめ、株式市場は反発しました。

過去の実績では、長期金利が急上昇した際には、世界公益株式は下落する傾向がみられました。ただし、中長期的にみると金利上昇局面では世界公益株式は上昇しています。足元では、世界公益株式はここ数日の安値から上昇しています。

今後の見通し~長期金利の急上昇局面では注意が必要だが、中長期的には投資機会を提供している可能性

長期金利の急上昇局面では、配当利回りが高い株式や金利負担の大きい企業の株式などが下落する傾向がみられ、注意が必要です。ただし、過去の実績では、金利急上昇による株価の調整はその後の長期金利の落ち着きとともに、比較的、短期間で終わったことが多く(下図参照)、金利急上昇による株価の調整は、中長期的には投資機会を提供している可能性があると考えることもできます。

公益株式はディフェンシブ性(景気の変動に左右されにくい特性)が強く、株式のなかでも配当利回りが高い傾向があることから、債券の代替としての投資対象となる場合があります。このため、債券利回りが上昇すると、公益株式の配当利回りの魅力が相対的に低下します。金利の上昇は企業の将来の利益や配当の割引現在価値の低下要因にもなります。また、公益企業は他の業種に比べて設備投資が多く、負債比率が高いことから将来の利払いや資金調達への悪影響が想定されます。金利が急上昇する局面ではこれらの点が投資判断に影響を与えるため、株価の調整が一気に起こると考えられます。実際、過去の実績では米国10年国債利回りが急上昇した際には、短期的に世界公益株式が下落する傾向がみられました(下図参照)。

一方、金利上昇局面では、物価が上昇していることが多く、燃料費なども上昇している傾向にあります。また、利払い負担も増加します。しかし、規制下の公益事業では、通常、こうしたコストの上昇はタイムラグをおいて電力、ガス、水道などの公共料金に価格転嫁することになります。これらのサービスは日常に不可欠なことから、他の業種と比べて価格転嫁が容易です。また、米国では規制下の電力料金は長期金利の水準が料金決定基準の収益率のベースとなっています。このため、金利上昇はタイムラグをおいて公益企業の収益にプラス要因となると考えられます。実際、中長期でみると、金利が上昇する局面では世界公益株式は上昇しています 。

長期金利と公益株式(中長期)~米国長期金利の中期的な上昇局面では、世界公益株式は上昇傾向

長期金利の推移を米国10年国債利回りでみると、1995年12月以降の実績において、米国長期金利の中期的な上昇局面(シャドウ部分)では、電力自由化の混乱局面①を除いて世界公益株式は上昇しています。

今後の見通しや投資方針に変更は?

今後の見通しや投資方針に変更はありません。引き続き、主要国・地域の脱炭素化に向けた政策強化の動きは、クリーンエネルギーへのシフト(グリーン・シフト)を目指す公益企業の株式にプラスになるものと期待されます。当ファンドでは、公益企業のESG(環境、社会、ガバナンス)への取り組みを重視し、公益企業にエンゲージメント(対話)を行い、グリーン・シフトを促しています。 

ウクライナ危機を受けて将来的にロシアの天然ガスに依存したくないという欧州諸国の意向は、風力、太陽光、水力などのクリーンエネルギーの拡大を更に加速させることにつながるでしょう。英国やドイツなどでは既にクリーンエネルギーへの移行が進んでいます。当ファンドではそうしたなかでもクリーンエネルギーによる発電の割合が高い企業に注目しています。

物価上昇を伴う景気後退、「スタグフレーション」となった場合、投資対象の世界公益株式への影響は?

金融市場は物価高騰や利上げによる景気後退懸念に一喜一憂する展開となっています。公益セクターは株式市場の中で相対的に物価高騰や景気の影響を受けにくいセクターのうちの一つです。こうした観点から、物価上昇を伴う景気後退、「スタグフレーション」時でも公益企業の事業への影響は他の業種と比べて限定的なものにとどまると考えます。

過去数年間、当ファンドは、規制下事業の事業比率の高い銘柄に組み入れを絞ってきました。

発電燃料の価格や金利などの変動費は規制下事業では価格転嫁が容易にできるため、物価高騰は収益に大きな影響を与えにくい傾向があります。また、電力、ガス、水道は日常に不可欠であることから、景気後退時でも他の業種と比べて需要は大きく減少しないとみられます。

このため景気後退局面では、公益企業の他の業種よりも見通しの確実性が高くかつ持続的な成長は、収益が大幅に減少する他の業種と比較して、より魅力的になります。更に燃料価格が高騰しても、当ファンドが注目する、グリーンシフトに取り組む公益企業は、風力発電や太陽光発電では燃料コストがかからないため、逆に再生可能エネルギーによる発電のコスト優位性が高まります。

化石燃料による発電から太陽光・風力などのクリーン・エネルギーによる発電への移行、「グリーン・シフト」を加速させることは、物価上昇とエネルギー安全保障の懸念に対抗する政策を打ち出す主要国にとっても好ましい動きです。「グリーン・シフト」への政策による後押しが加速すれば、当ファンドが投資する公益企業にとっては、より多くの設備投資をすることが容易になり、より大きな収益を得ることができるようになると考えられます。

現在、運用チームでは当ファンドで組み入れている米国の公益企業各社と順次ミーティングを行っています。金利上昇は現在のところ問題ではなく、電気料金等への政治的介入のリスクは低く、規制当局も「グリーン・シフト」の加速を強く支持しています。各社の現在の市場環境における業績や設備投資計画などに対する見通しは底堅く、これまでのピクテの見解とも概ね一致しています。



●当資料はピクテ・ジャパン株式会社が作成した販売用資料であり、金融商品取引法に基づく開示書類ではありません。取得の申込みにあたっては、販売会社よりお渡しする最新の投資信託説明書(交付目論見書)等の内容を必ずご確認の上、ご自身でご判断ください。
●投資信託は、値動きのある有価証券等(外貨建資産に投資する場合は、為替変動リスクもあります)に投資いたしますので、基準価額は変動します。したがって、投資者の皆さまの投資元本が保証されているものではなく、基準価額の下落により、損失を被り、投資元本を割り込むことがあります。
●運用による損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。
●当資料に記載された過去の実績は、将来の運用成果等を示唆あるいは保証するものではありません。
●当資料は信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、その正確性、完全性、使用目的への適合性を保証するものではありません。
●当資料中に示された情報等は、作成日現在のものであり、事前の連絡なしに変更されることがあります。
●投資信託は預金等ではなく元本および利回りの保証はありません。
●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険契約者保護機構の保護の対象ではありません。
●登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の対象とはなりません。
●当資料に掲載されているいかなる情報も、法務、会計、税務、経営、投資その他に係る助言を構成するものではありません。

MSCI指数は、MSCIが開発した指数です。同指数に対する著作権、知的所有権その他一切の権利はMSCIに帰属します。またMSCIは、同指数の内容を変更する権利および公表を停止する権利を有しています。



関連記事


日付 タイトル タグ
日付
2022/07/11
タイトル グロイン | 運用の振り返りと市場のポイント タグ
日付
2022/06/10
タイトル グロイン | 歴史は繰り返す~「資産株の時代」到来? タグ
日付
2022/06/06
タイトル グロイン|ロシアのウクライナ侵攻によるエネルギー問題が欧州におけるグリーンシフトを加速 タグ
日付
2022/06/01
タイトル グロイン | 英国政府による課税リスクと投資方針 タグ
日付
2022/05/30
タイトル 物価高騰のなかで注目の株価純資産倍率(PBR) タグ
日付
2022/05/23
タイトル 公益株式投資によるスタグフレーションへの備え タグ
日付
2022/05/17
タイトル 物価高騰時に相対的に底堅い世界公益株式 タグ
日付
2022/05/09
タイトル 物価高騰時に相対的に底堅い世界公益株式 タグ
日付
2022/04/15
タイトル グロインの運用の振り返りと市場のポイント タグ
日付
2022/04/11
タイトル 資源価格が高騰するも料金に転嫁ができる公益企業の業績の安定的な成長見通しは変わらず タグ
日付
2022/03/30
タイトル 1982年以来の高い上昇率となった2月の米国物価~公益株投資は? タグ
日付
2022/03/18
タイトル ロシアのウクライナ侵攻、エネルギー価格高騰で改めて注目されるグリーンシフト タグ
日付
2022/02/24
タイトル 不透明な環境下、世界公益株式は底堅く推移 タグ
日付
2022/02/10
タイトル 米金融緩和縮小による影響が相対的に小さい世界公益株式 タグ
日付
2022/01/28
タイトル 成長株中心に株価が調整するなか世界公益株式は底堅く推移 タグ
日付
2022/01/25
タイトル グロインの運用の振り返りと市場のポイント タグ
日付
2021/12/27
タイトル 1982年以来の高い11月米国物価上昇率~公益株投資の好機? タグ
日付
2021/12/08
タイトル 商品価格や物価の上昇時に相対的に強い業種 タグ
日付
2021/12/07
タイトル 米国政策金利引き上げと世界公益株式パフォーマンス タグ
日付
2021/11/30
タイトル コロナショックを経て見直される公益株式の安定性 タグ
日付
2021/10/28
タイトル グロインの運用の振り返りと市場のポイント タグ
日付
2021/09/29
タイトル 公益業界へ投資機会をもたらす「グリーンシフト」 タグ
日付
2021/07/21
タイトル 運用の振り返りと市場のポイント タグ
日付
2021/06/28
タイトル 商品価格や物価の上昇時に相対的に強い業種 タグ
日付
2021/06/15
タイトル 物価上昇時に公益株式に注目する理由とは タグ
日付
2021/05/31
タイトル 物価上昇と世界公益株式 タグ
日付
2021/04/30
タイトル 株価を下支えしてきた流動性が縮小~市場に左右されにくい公益株 タグ
日付
2021/04/23
タイトル グロイン・デイリー・アップデート|Gloin Daily Update タグ
日付
2021/04/23
タイトル 運用の振り返りと市場のポイント タグ
日付
2021/03/05
タイトル 年初来の金利急上昇と世界公益株式動向 タグ
日付
2021/02/25
タイトル 加速するESG投資~「グリーン・シフト」が公益企業の追い風に タグ
日付
2021/01/29
タイトル ESGエンゲージメントで、クリーンエネルギー・シフト タグ
日付
2020/12/23
タイトル 2021年の展望:クリーンエネルギー・シフト タグ
日付
2020/11/10
タイトル バイデン勝利は公益株に追い風か? タグ
日付
2020/10/30
タイトル グロイン15周年公益セミナー②~イタリア電力公社編  タグ
日付
2020/10/30
タイトル グロイン15周年公益セミナー~①投資環境と運用方針編  タグ
日付
2020/10/30
タイトル グロイン15周年公益セミナー③~ナショナル・グリッド編 タグ
日付
2020/10/11
タイトル 「クリーンエネルギー政策」+「ESG投資」で長期的な成長 タグ
日付
2020/09/28
タイトル 株価を下支えしてきた流動性に変化の兆し~相場に左右されにくい公益株 タグ
日付
2020/09/18
タイトル 特性を知ることで再確認~公益株式投資の魅力 タグ
日付
2020/08/07
タイトル クリーンエネルギーへのシフトは公益業界に追い風か? タグ
日付
2020/06/23
タイトル ESG投資拡大の潮流で注目の公益株式 タグ
日付
2020/05/28
タイトル コロナショックに相対的に強い公益銘柄に注目 タグ
日付
2020/05/20
タイトル 公益企業の業績見通しは底堅く推移 タグ
日付
2020/04/30
タイトル Q.需要減による収益見通しへの影響?~需要減は限定的 タグ
もっと見る