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インド経済・企業利益の最新動向
2023/11/01

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概要

●インド経済は、引き続き相対的に高成長が予想されている。
●インド企業の利益動向も、引き続き堅調と予想されている。
●足元のリスク材料(原油高、2024年のインド総選挙、中東情勢など)についても、現時点ではインド経済や金融市場に、大きくマイナスとなる可能性は低い。



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インドの経済成長率|引き続き、相対的に高い経済成長が予想されている

2023年10月10日に国際通貨基金(IMF)が公表した世界経済見通しでは、世界経済の回復ペースは依然として遅いという認識が示されました。また、国や地域によって違いがあることも示されました。


こうした中、インドについては、引き続き相対的に高い成長率が続くとの見通しには変わりがありませんでした。なお、2023年の成長率予想は、前回(2023年7月時点)から+0.2%ポイントの上方修正となりました。この背景は、主に堅調な内需があるとされています。


インド企業の利益|引き続き堅調な利益動向が予想されている

2023年(暦年ベース)の利益予想をみると、インド企業は経済成長などを背景に、相対的に高い利益成長率が予想されていることに加えて、来年も堅調な利益成長が予想されています。インド企業の利益成長は、引き続き株価の支援材料になると期待されます。



ただし、高い成長性が期待されるがゆえに、インド株式のバリュエーション(投資価値評価)水準は、依然として相対的に高水準である点は、注意が必要であると考えられます。


 

足元のリスク材料について


1. 原油価格動向

インドは、原油をはじめエネルギー資源を輸入に大きく依存しています。一方で、かつては厳しい外資規制などもあり国内で輸出産業が育っていないといった構造的な問題などから、貿易収支が大幅な赤字となり、経常収支は赤字がほぼ常態化しています。

2023年7月以降、原油価格は産油国による原油の減産や、底堅い原油需要見通しなどを背景に再び上昇基調にあります。加えて、足元の中東情勢の緊迫化も、原油価格の上昇要因となる懸念があります。原油価格の上昇は、インドの経常赤字を拡大させる要因となるため、インド経済にとってマイナス材料となります。原油価格の動向には注視していく必要があります。

一方、インドは、経済成長力への期待を背景に、海外から投資資金を惹きつけています。こうした投資資金の流入が、経常赤字を、オフセットする状況が続いてきました。

モディ政権は2014年から「メイク・イン・インディア」を掲げ、製造業振興を図ってきました。投資環境の整備を通じて、直接投資誘致を促進し、GDPに占める製造業の割合を15%から25%に引き上げる目標を掲げています。それにより、新たな雇用創出、貿易赤字縮小、輸出拡大などを目指しています。


インド政府はこの方針の下、国内製造業保護と高付加価値の部品の国産化を推進するほか、インド国内に進出する外資企業に対しては、多くの分野を開放(例:保険会社や防衛関連企業の外資出資比率50%以上を容認(2020年))し、投資を積極的に誘致しています。特に、製造業に対しては、法人税の引き下げや国内生産を促す生産連動型奨励金(PLI)スキームといった優遇策を導入しており、海外企業の製造拠点の移転先としての魅力が増しています。

さらに足元では、海外企業が中国から製造拠点を移転させる動きを強めています。これまで「世界の工場」として大きな役割を果たしてきた中国ですが、コロナ禍、そしてその後の経済活動再開でサプライチェーン(供給網)の混乱が発生し、さらに米中関係の緊迫化という事態にも直面しています。こうした流れから、インドを製造拠点として強化する動きをみせる海外企業も多く、インドへの投資資金流入が拡大すると期待されます。


さらに、米国の大手銀行JPモルガン・チェースは2023年9月21日、インド国債を新興国債券指数に組み入れると発表しました。こうした動きは、指数に連動した運用を行うパッシブ・ファンドなどを通じて、海外からより多くの資金がインド債券市場に流入する可能性があると予想されます。



※詳細は、ピクテ ディープ・インサイト レポート「インド国債、グローバル債券指数に組み入れ」(2023年9月27日発行)をご参照ください。

原油価格の上昇により経常赤字が拡大し、経済のファンダメンタルズ(基礎的条件)の脆弱性が高まるリスクは、海外からの旺盛な資金流入などによって軽減される可能性が高いとみられます。

2. その他(2024年の総選挙、中東情勢など)

インドでは、2024年前半に総選挙が予定されています。現時点では、これまでの堅調な経済動向や野党の有力対抗馬不在などといった状況から、インド人民党を中心とする現与党連合が過半数の議席を維持し、モディ政権の継続が予想されます。

現政権は市場に対して友好的な政策を打ち出し続けてきたことから、モディ政権の継続はインド株式市場にとってプラス材料となると考えられます。

また、足元の中東情勢の緊迫化は、世界経済や金融市場に対して影を落としています。こうした流れを、インドも免れることはできないと考えられます。

ただし、中東情勢の緊迫化によるインド経済への直接的なマイナスの影響は、前述のように原油価格上昇は懸念材料ではあるものの、総じてみればそれほど大きなものではないとの見方が大半です。

また、今回のイスラム原理主義組織ハマスの攻撃を受けたイスラエルに対し、モディ首相はイスラエルとの連携を表明しましたが、インドの外交政策の基本は「非同盟」です。今日のように地政学リスクが高まるなかで、インドの立場を優位なものにする可能性もあるとみています。

 



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