2026年の投資環境|世界的には金融緩和的な状況が続く。一方、インフレリスクの再燃には警戒が必要
世界的にみれば、現在の経済成長の強さとインフレ率の伸びに落ち着きがみられるなかで、財政政策は拡張的、金融政策は緩和的であるとみられます。主要中央銀行がさらに緩和を進める可能性は低い一方、インフレが再び大きく加速しない限り、現在の緩和的スタンスから、引き締めスタンスに直ちに転換することにも消極的であると考えられます。特に米連邦準備制度理事会(FRB)は、国内情勢や他の中央銀行との政策スタンスと比較して緩和姿勢を維持するよう政治的圧力が高まる可能性は否定できません。それにより、米ドル安が継続する可能性があるとも考えられます。生産性の飛躍的な向上がない限り、金融引き締め政策なしにはインフレは目標値を上回る水準で高止まりする公算が大きく、今年もインフレリスクに対する対応が必要になるでしょう。関税による物価への影響は、当初の想定ほど深刻なものとなっていませんが、その影響が今後、時間差で出てくる可能性があるため、引き続き警戒しなければならないと考えられます。
当ファンドの運用チームの運用方針|市場環境の変化に応じて柔軟な資産配分の変更等を実施し、相対的にリスクを抑えつつ、着実なリターンの獲得を目指す
当面の間はFRBのバランスシート政策を通じた流動性供給など、緩和的な状況が市場の下支えとなると期待されるため、引き続き株式などのリスク資産に対して強気な姿勢を継続します。
ただし、インフレリスクが再燃すれば主要中央銀行の利下げサイクルは終焉に向かうことが予想されるほか、AI(人工知能)関連投資の収益性への懐疑的な見方などを背景に、市場のボラティリティが上昇することも警戒されます。さらに、FRBの執行部の体制変更、日本の衆議院解散・選挙後の高市政権の政策動向、米国の中間選挙の行方など、さまざまな政治情勢の先行き不透明感が存在します。
先行きを予測することが困難な状況であるなかでは、市場環境の変化に応じて資産配分を機動的に変更するなど、柔軟な投資アプローチをとることが重要であると考えます。
資産配分方針|株式、金に対して強気な見方を継続。債券のなかでは、新興国債券、投資適格社債、物価連動国債に注目
当ファンドのポートフォリオの資産配分では、株式・金に対して強気な見方を継続します。また、債券のなかでは、新興国債券、投資適格社債、物価連動国債などに注目していきます。
特に注目する投資先は、引き続き新興国市場(株式および債券)です。新興国域内では、株式の分散投資対象として債券の魅力が高まりつつあるとみています。足元の新興国資産のバリュエーション(投資価値評価)は、今後も引き続き良好な投資リターンが期待できる魅力的な水準にあると考えられます。
為替については、国内の政策当局が現状の為替水準からの大幅な円安進行に抵抗を示す可能性が高まっています。その場合には、円資産比率の引き上げも検討していく方針です。
(株式)
株式の組入比率は、引き続き高位に維持する方針です。地域別では、新興国を選好します。新興国のみならず米国以外の市場への分散を進めていく想定ですが、日本株式については当局による為替介入リスクを考慮し、慎重な見方を維持しています。業種では、情報技術やコミュニケーション・サービスなどのグロース株式を主軸としたポートフォリオを維持しながらも、一部にインフラ関連や金融などのバリュー株式にも資金を振り向け、バランスがとれたポートフォリオを構築する方針です。
(債券)
債券が果たす株式に対する分散効果は引き続き期待できると判断するものの、債券全般に対しては慎重なスタンスを継続します。財政悪化やインフレといったリスク要因を警戒し、先進国国債を中心に金利リスクの抑制を継続します。その一方で、新興国債券、投資適格社債、物価連動国債の選好を継続します。
(金・その他コモディティ)
金については、分散投資において重要かつ戦略的資産の位置づけに変わりはないため、引き続き高位に維持する方針です。金は、昨今の地政学的リスクを背景に需要が期待されることに加えて、株式や債券などの伝統的な資産クラスとの相関が低く、インフレに強い性質があると考えます。トランプ米大統領の関税政策や国際情勢など、先行き不透明要素が多く残るなか、重要な役割を果たすとみられます。
足元で、金以外の貴金属(銀、プラチナ、パラジウムなど)の価格も上昇しています。しかし、金以外の貴金属は、(金に比べて)市場規模が小さい、流動性が低い、価格のボラティリティが高い、工業用需要が多い、といった点で金とは異なります。こうしたことから、現時点では金以外の貴金属については分散投資先として検討していません。ただし、より広範に、エネルギー、穀物、非鉄などを含めたコモディティ全般については、さらなるインフレヘッジの強化および分散効果の向上を目的として、地政学的リスクの一時的な改善のタイミング(例えば、ロシア-ウクライナ停戦など)で、組入れることも検討する方針です。
(リート)
米国においては、将来の利下げ幅は足元の市場予想より小幅にとどまる可能性があるほか、追加利上げが予想される日本を含め、主要国ではインフレリスクの再燃が引き続き警戒されるなかで、金利敏感なリスク資産であるリートに対しては慎重な見方を継続し、非保有としています。また、米商業用不動産懸念(商業用不動産価格の低迷、商業用不動産向け融資の延滞率上昇、米地方銀行の経営悪化など)が、世界の金融市場に波及するリスクは、引き続き中長期的な視点で警戒すべきであると考えます。