インド株式、足元で大きく反発:その背景と今後の見通し | ピクテ投信投資顧問株式会社

インド株式、足元で大きく反発:その背景と今後の見通し インド アジア 新興国

※投資リスク、手続・手数料等は、目論見書をご覧ください。

ポイント

インド株式は足元で大きく反発しています。この背景には、景気下支え策への期待や海外からの資金流入の回復などがあるとみられます。また、バリュエーション水準も近年になく過熱感が後退し魅力が高まっていることもあるとみられます。新型コロナウイルスの感染拡大など懸念材料も残されていますが、中長期的な経済成長を支える豊富な若い労働力の存在や改革期待などにより、インド株式は魅力的な投資対象のひとつです。

反発局面で相対的に大きく上昇

2020年初以降、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により世界経済や企業業績の悪化が懸念される中で、3月後半にかけて世界の株式市場は大きく下落しました。この下落局面において、インド株式市場(MSCIインド株価指数、現地通貨ベース、配当込)は、新興国株式市場の平均(MSCI新興国株価指数、現地通貨ベース、配当込)以上の下落率となりました。

下落率が相対的に大きくなった背景の一つには、新型コロナウイルス感染拡大に伴うリスク・オフムードの流れに加えて、3月6日にインド準備銀行(中央銀行)が経営難に陥っていたイエス銀行を管理下に置き、同行からの預金引き出しを制限したことなどでインドの金融セクターの株価が大幅下落したことがあります。また、インドでも新型コロナウイルス感染拡大抑制のために、初期段階で全土封鎖措置に踏み切り、経済の停滞が大いに懸念されたことなどがありました。

3月後半を底に、世界の株式市場は反発し、その後も足元(9月22日)まででみると概ね上昇基調が続いています。
こうした流れの中で、インド株式市場は、新興国株式市場の中でも、相対的に大きく反発し上昇基調に転じました。なかでも情報技術セクターの銘柄などのプラス寄与度が大きくなっています。

上昇を支える要因:景気下支え策や海外からの資金流入回復

世界各国と同様にインドでも財政出動や中央銀行によるさらなる金融緩和などにより景気の下支えに動いています。こうした政策的支援は、インド株式市場を下支えする一つの要因となっています。

また、世界的な景気回復期待などを背景に、投資家がリスクを選好する動きを強めていることなどから、成長期待の大きいインドの金融市場への海外からの投資資金も、3月の大幅売り越しの後、回復の兆しがみられています。

バリュエーション水準も下支えに:過去平均を下回るPBR

インド株式のバリュエーション(投資価値評価)において過熱感が後退したことも、株価の下支えとなっているとみられます。

株価純資産倍率(PBR)でみると、モディ政権が2014年5月に発足して以降、構造改革進展により成長が加速するとの期待などから株価が上昇したこともあり、これまでの数年間は過去20年間の平均近辺に留まっていました。

2020年年初以降の株価下落により、2020年3月には、過去平均を大きく下回る水準を付けました。その後、株式市場の反発により足元のPBR水準は上昇しているものの、8月末時点で2.9倍と、引き続き過去平均を下回る水準にあります。

通貨ルピーの動向:経常収支改善、海外からの資本流入が下支えに

通貨ルピーについては下落基調が続いており、2020年年初来のリスク回避の動きが大きく強った局面では一段の通貨ルピー安となりました。今後についてはどうでしょう。

経常赤字が続いていることは、インド経済のファンダメンタルズ(基礎的条件)がぜい弱とみなされやすい要因の一つです。そうしたこともあり、リスク回避局面でルピー安傾向が強まりましたが、足元で経常赤字が縮小、2020年1-3月期には黒字転換するなど改善の兆しがみられます。これまでのルピー安や原油安(インドは原油純輸入国)などにより、貿易赤字が縮小し、貿易外収支の黒字幅が拡大したことなどが要因です。

このような経常収支の改善や前述のような海外からの資金流入などは、通貨ルピーの下支えとなると期待されます。

リスクは依然として残る:新型コロナウイルス、財政悪化、金融不安・・・

ただし、不安材料は残ります。新型コロナウイルスの感染拡大については、依然として懸念材料です。インドでは感染拡大の早期の段階から、全土封鎖を実施しましたが、感染拡大には歯止めがかからず、そのような状況下においても経済への悪影響を考慮して段階的な制限の緩和に踏み切っています。国際保健機関(WHO)の統計によると9月23日時点でインドにおける新型コロナウイルスの感染者数累計は564万人と米国(677万人)に次いで多い感染者数となっています。この点は今後の経済動向にとって不透明材料となるため、感染状況の動向には今後も注視していく必要があると考えます。

また、景気の下支えとして財政出動も実施していますが、インドの財政状況は厳しいだけにさらに一段の財政出動は難しい可能性もあります。

さらに、銀行セクターにおける懸念も残ります。足元で経済が低迷する中で、今後、不良債権が増加するとの見方もあり、この点にも注視していく必要があると考えます。 足元にはこうした懸念材料が重石となり、しばらくは株価が上下を繰り返す可能性があると考えられます。

インド株式投資との付き合い方

しかし、中長期的にみた潜在成長力には変わりがないと考えられます。インドは若い労働力が豊富で、所得増加に伴って消費を拡大し経済成長をけん引すると期待されます。「メイク・イン・インディア」などの取り組みにより製造業振興策や雇用の拡大を図るなどの構造・経済改革を進めています。こうした変化には時間がかかるかもしれませんが、中長期的な成長の裏付けになると期待されます。

中長期的な成長期待に変わりがないとすれば、PBR水準などのバリュエーション水準が魅力的な水準にある時に投資を開始すると、長い目で見れば良好な投資リターンが得られる可能性が高いと考えられます。

成長が魅力のインド株式ですが、投資に際しては短期的には値動きが大きくなる可能性も高いため、「スパイス投資」の一つとして、長い期間投資が可能な余裕資金の一部を投資するといった方法がよいでしょう。

 

 

MSCI指数は、MSCIが開発した指数です。同指数に対する著作権、知的所有権その他一切の権利はMSCIに帰属します。

またMSCIは、同指数の内容を変更する権利および公表を停止する権利を有しています。

当資料をご利用にあたっての注意事項等

当資料はピクテ投信投資顧問株式会社が作成した販売用資料であり、金融商品取引法に基づく開示書類ではありません。取得の申込みにあたっては、投資信託説明書(交付目論見書)等をお渡ししますので必ず内容をご確認の上、ご自身でご判断ください。●投資信託は、値動きのある有価証券等(外貨建資産に投資する場合は、為替変動リスクもあります)に投資いたしますので、基準価額は変動します。したがって、投資者の皆さまの投資元本が保証されているものではなく、基準価額の下落により、損失を被り、投資元本を割り込むことがあります。●運用による損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。●当資料に記載された過去の実績は、将来の運用成果等を示唆あるいは保証するものではありません。●当資料は信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、その正確性、完全性、使用目的への適合性を保証するものではありません。●当資料中に示された情報等は、作成日現在のものであり、事前の連絡なしに変更されることがあります。●投資信託は預金等ではなく元本および利回りの保証はありません。●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険契約者保護機構の保護の対象ではありません。●登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の対象とはなりません。●当資料に掲載されているいかなる情報も、法務、会計、税務、経営、投資その他に係る助言を構成するものではありません。


ページの先頭へ戻る