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- ピクテ・ゴールド|金融不安を背景に金価格は11ヵ月ぶりの高値水準に ~今後の見通しと足元の動き~
●米国と欧州の銀行セクターを巡る混乱を背景に金価格は11ヵ月ぶりの高値水準に
●米国の利上げの打ち止めが視野に入ってきたことも金価格の上昇要因に
●米国金利と米ドルの上昇が頭打ちになることで、今後、金の相対的な価値が高まる可能性
金融不安を背景に金価格は11ヵ月ぶりの高値水準に
金価格は2023年2月以降、1月の米国の雇用者数や消費者物価指数の伸びが市場予想を上回り、米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げを継続するとの観測が強まったことなどを受けて下落基調にありました。
しかし、3月に入るとシリコンバレー銀行(SVB)などの米国の銀行が相次いで経営破綻したことや、スイスの金融大手クレディ・スイス・グループの経営難が報じられるなど金融不安が高まり市場が混乱する中で、金価格は2022年4月以来の11ヵ月ぶりとなる1トロイオンスあたり2,000米ドルに迫る高値水準にまで上昇しています(図表1参照)。
米国の利上げの打ち止めが視野に入ってきたことも金価格の上昇要因に
米国やスイスの金融当局は預金者保護や金融機関向け緊急融資枠の設定などにより、信用不安の拡大を阻止する考えを示し、事態の鎮静化を図っていますが、SVBの経営破綻の背景には、インフレ率の高止まりを背景にFRBが急速に金融引き締めを進めてきたことで、SVBが保有する米国国債などの資産に含み損が生じていたことなどが指摘されています。そのため、金融システムや景気への配慮からFRBが金融引き締め姿勢を緩和させるとの観測が強まりました。その後、3月21日から22日にかけて行われた米連邦公開市場委員会(FOMC)では0.25%の利上げが決定されましたが、声明文では引き続きインフレ抑制を重視する姿勢が示された一方で、今後の利上げについて複数回を示す「継続的な」という表現が除外され、利上げサイクルの最終局面にあることが示唆されました。
市場参加者による米政策金利の予想を示す米FF(フェデラル・ファンド)金利先物を見ると、SVBの経営破綻など金融不安が表面化する前の3月8日時点では、利上げ局面における政策金利の最終的な到達点であるターミナルレートは5.7%程度(2023年9月)が予想されていましたが、直近のFOMCが開催された3月22日時点ではターミナルレートは4.9%程度(2023年5月)にまで低下し、次回(5月)のFOMC以降はFRBが利下げに転じると予想していることがわかります(図表2参照)。
このような政策金利見通しの急速な変化に伴い、米国国債の利回りが急低下し、米ドル指数が下落したことも、金価格の上昇要因となりました(図表3、4参照) 。
米国金利と米ドルの上昇が頭打ちになることで、今後、金の相対的な価値が高まる可能性
米国の政策金利見通しについては、インフレ動向や景気動向などによって大きく変化する可能性もあります。しかし、2022年3月以降の積極的な利上げを経て、足元ではインフレ率にピークアウトの兆しが見え始めています。さらに、金利の上昇に伴う景気後退や金融不安の拡大への懸念など、米国経済を取り巻く不確実性が高まっていることから、FRBが金融政策方針を見直す可能性があると考えられます。
米国の金融政策の転換が視野に入ってきていると見られる中では、米国金利と米ドルの上昇余地は限定的なものにとどまると想定されます。そのため、金利を生まず、米ドルの代替資産とみなされる傾向がある金の相対的な魅力が高まる可能性があると考えます。
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