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ピクテ・ゴールド|米国の利上げ終了後、金価格はどう動いてきたか~過去のデータで振り返る~
2022/12/22

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概要

・2000年を挟んで異なる、米国の利上げ終了後の金価格の動き
・2000年以降は、利上げ終了後に金価格は上昇
・米国の利上げ終了が近づく中、今後、金の相対的魅力が高まる可能性も



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2000年を挟んで異なる、米国の利上げ終了後の金価格の動き

2022年3月以降、米国ではインフレ抑制のため積極的な利上げが実施されてきましたが、足元、インフレ率にピークアウトの兆しが見え始めている一方、景気減速懸念が高まりつつあることから、市場では2023年前半に米国の利上げが終了するとの公算が大きくなっています。本レポートでは、米国の利上げ終了後の金価格の動きについて、過去のデータを用いて振り返っていきます。

1971年以降、大きな流れでみると、米国の利上げが終了した時点は7回(①~⑦)ありました。この7回の利上げ終了時点を起点に利下げ終了時点までの期間(図表1、灰色の影の期間)の金価格の動きをみると、2000年までの期間(①~④)では金価格は下落しましたが、2000年以降の期間(⑤~⑦)では金価格は上昇しました。

 

 

2000年以降は、利上げ終了後に金価格は上昇

2000年以降、3回あった利上げ終了から利下げ終了までの期間(⑤~⑦)では、金価格は上昇しています(図表1参照)。

実物資産である金は金利を生まず、米ドルの代替資産とみなされる傾向がある資産ですが、米国で利上げが終わりを迎え、米国金利(債券利回り)と米ドルの一段の上昇期待が落ち着くと、金の相対的な魅力が高まり、その後の利下げ終了までの期間の金価格上昇につながったと考えられます。

一方で、2000年以前の利上げ終了から利下げ終了までの期間(①~④)については、政策金利の低下が物価上昇の恐れが薄れていくことも意味していたと考えられ、結果、金価格が下落したとみられます。さらに①と②の期間については第4次中東戦争やイラン・イラク戦争といった有事や2度のオイルショックによるインフレ懸念を背景に金価格が高騰していたことの反動も大きく作用しました。また③と④の期間については(①と②にもいえますが)、政策金利が下がっても長期金利はそれほど低下せず、相対的に金の魅力が高まりにくかったことも、金価格が調整した要因になったと考えられます。

 

 

利上げ終了が近づく中、今後、金の相対的魅力が高まる可能性も

米国の政策金利見通しについては、インフレ動向や景気動向などによって大きく変化する可能性もありますが、2022年に入り米国では積極的な利上げが行われてきたことで、インフレ率がピークアウトし、低下傾向にある一方、景気後退懸念が高まりつつあることから、2023年前半にも米国の利上げが終了するとの公算が大きくなっています。

このような環境下、一時は4%を超えていた米国の10年国債利回りも足元は3.5%近辺まで低下し、米ドル指数も下落するなど、米国金利(債券利回り)と米ドルの上昇傾向は落ち着きを見せており、2022年3月から下落基調にあった金価格も反発しています(図表2参照)。

今後もこのような傾向が続けば、金利を生まず、米ドルの代替資産とみなされる傾向がある金の相対的な魅力が高まる可能性があると考えます。ただし、一方で米国金利の低下は足下では円高要因となっているので円ベースの金価格にはやや不透明感があると言えます。

 



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