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2026年の金相場の見通し
2026/01/09

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概要

・不確実性の高い環境が続くと想定され、分散投資における金投資の重要性が増す


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金価格(米ドルベース)は2025年に騰勢を強め、年間では67.4%の上昇となりました。本稿では、この上昇の背景や2026年の金相場の見通しなどについてQA形式でご紹介します。


2025年の前半には、米国のトランプ政権が打ち出した相互関税などの政策により、米国において景気減速とインフレが同時に生じる「スタグフレーション」に陥るとの懸念や、米中対立の激化が世界経済に悪影響を及ぼすとの懸念が強まりました。これらの要因が「安全資産」や「インフレヘッジの手段」と見なされる傾向のある金に対する需要を高め、金価格の上昇に繋がったと考えられます。

また、2025年の後半にはトランプ大統領が連邦準備制度理事会(FRB)に対する介入圧力を強めたことを受けて、中央銀行の独立性が損なわれ、過度に金融緩和を実施することでインフレを招くとの警戒感が強まりました。さらに、大規模減税などを盛り込んだ法案が成立したことに伴い米国の債務問題の大幅な悪化が懸念されたほか、米国議会での予算審議の難航や政府機関の閉鎖により政治的な分断が鮮明となったことも、米国の政治や財政運営に対する不信感を高める要因になりました。国家に対する信認の低下やインフレは、その国の通貨価値の下落(ディベースメント)を引き起こす可能性があることから、そのヘッジ手段として信用リスクのない実物資産である金の需要が高まりました。

主要先進国における債務の膨張や、相互関税や米中対立に象徴される世界の分断に伴うインフレ圧力などがもたらす通貨価値の下落リスクは、短期的な解消が見込まれにくい構造的要因として、2026年以降も金価格を下支えするものと考えられます。

2026年の金融市場においても、世界経済の分断や地政学的緊張などによる不確実性の高い環境が続くと想定され、安全資産としての金への需要は根強く残ると考えられます。拡張財政などを背景とした主要先進国の政府債務問題の悪化やインフレに伴う通貨価値の下落に対する警戒感も金投資の重要性を一段と高める要因となるほか、新興国の中央銀行を中心とした金購入の継続も金価格を支える要因になると予想されます。

金価格が過去最高値を更新しながら上昇してきたことから、利益確定の動きが強まる局面などでは短期的に変動が大きくなると想定されますが、金価格を支える要因の多くが世界経済の構造変化に起因していると見られることから、金価格は中長期的な上昇トレンドを維持する可能性が高いと考えられます。



2022年以降、米国金利の上昇などを背景に米ドル高(円安)が進行したため、ピクテ・ゴールドのパフォーマンスは為替変動の影響を加味した「為替ヘッジなし」が優位となる傾向にありました。しかし、2025年に米国の政策の不確実性などを背景として米ドル安・円高となった場面では「為替ヘッジあり」が優位となりました。ピクテでは今後、米国との金利差の縮小などから米ドルが主要な先進国通貨に対して下落する(米ドル安)と予想していますが、日本の財政悪化懸念などから日本円に対する下落(円安)圧力が予想されることなどから、米ドル・円の為替レートの見通しは不透明であると考えます。

金は国際的には米ドル建てで取引が行われる資産です。そのため、「為替ヘッジなし」は米ドル・円の為替レートの変動の影響を加えた金投資のリターンの獲得を目指すのための選択肢となります。一方で、「為替ヘッジあり」は、米ドル安・円高になった場合の為替差損が心配な場合など、為替レートの変動の影響を抑制しながら金に投資するための有効な選択肢となります。なお、日米金利差が縮小傾向にあるため、為替ヘッジを行う際にリターンを低下させる要因となる為替ヘッジコストは低下傾向にあります。



金は債券や株式などの主要資産とは異なる値動きをする傾向にあることから、分散効果が期待される資産です。主要資産に対する金の比率を10%として組合わせて月次でリバランスを行ったシミュレーションを見ると、多くの場合においてリスクを低減させる効果が確認できました。


景気後退期や金融市場が不安定になる局面では、株式などのリスク資産からの逃避資金が金や債券に流入する傾向にあることから、金と債券はともに安全資産として捉えられることが多い資産です。しかし、金と債券は異なる特性を持ち、市場環境によっては値動きが異なる傾向があります。


一般的な債券は「将来、あらかじめ決まった金額を受け取る」資産であることから、インフレ環境下ではその金額が実質的に目減りすることになります。一方で、金は希少性の高い実物資産としてそのもの自体に価値を持つことから、インフレに強いとみなされます。また、金には債券のように発行する国や企業などの破綻で価値がゼロになるといった発行体の信用リスクがありません。そのため、世界の分断などに伴うインフレ圧力や、債務の膨張に伴う主要先進国の信用力の低下などによって通貨価値の下落リスクが高まっている足元の環境においては、資産の価値を保全する手段として金投資の重要性が高まっているといえます。

なお、金は一般的な債券とは異なり、利息を生まない金融資産であることから、保有を継続しても定期的な収入を得ることはできません。また、金の値動きは一般的な債券よりも大きい傾向にあります。

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