Article Title
ピクテIFブラジル株|2022年年初来、堅調な推移
2022/03/30

Share

Line

LinkedIn

URLをコピー


概要

2022年年初来のブラジル株式は、相対的な割安感や、資源価格上昇、利上げペースの減速期待などを背景に堅調な推移となっています。ただし、10月には大統領選挙を控え、選挙戦を通して政策動向が大きく変化する可能性やインフレの一段の加速などが、ブラジル株式や通貨レアルの不安定要因となる可能性も残るため、当面は注視が必要と考えます。



Article Body Text

2022年年初来、堅調な推移をみせるブラジル株式

世界の株式市場は2022年年初来、値動きが大きくなっています。この背景の1つには、世界的な経済の回復やインフレ高進により、米国をはじめとした主要国の金融引き締め加速観測が高まっていることなどがあります。加えて、ロシアがウクライナへの軍事侵攻を開始するなど地政学リスクの高まりもマイナスの影響を及ぼしています。足元では反発の兆しもみられますが、先進国株式も新興国株式も、調整局面を迎えました。

一方、ブラジル株式は2022年年初来、堅調な推移を示しています(MSCIブラジル株価指数(配当込み(ネット))、円ベース)。

 ① 相対的な割安感

足元のブラジル株式の堅調な株価推移の背景の1つには、相対的なバリュエーション(投資価値評価)水準の魅力があるとみられます。

コロナ・ショックを経て、世界の株式市場は大きく上昇を続けてきており、バリュエーション水準も軒並み高まっていました。こうした中、ブラジル株式の予想株価収益率(PER)や、株価純資産倍率(PBR)といったバリュエーション水準の過去5年間の推移をみると、足元(2022年2月末時点)の水準に割高感はないとみられます。

また、ブラジル株式の足元(2022年2月末時点)の予想PER水準は、新興国株式の市場平均を下回り、また、先進国株式に比べると、相対的な割安感があると考えられます。

② 資源価格上昇は経済にプラス

コロナ・ショックから世界経済が正常化に向かう中で、原油やその他資源価格は上昇基調にありましたが、足元でロシアがウクライナへ軍事侵攻したことを受けて、西側諸国がロシアに対して課した経済制裁などの影響もあり、原油価格の上昇には一段の拍車がかかりました。

 

ブラジルは、原油や鉱物資源などを豊富に有する資源国です。資源価格の上昇は経済にとってプラスの恩恵をもたらすことが期待され、株式市場および通貨レアルにとってもプラス材料となります。

③  利上げペースの減速

ブラジル中央銀行は2022年3月の金融政策決定会合で、過去1年間で9会合連続となる利上げを発表し、政策金利は11.75%となりました。しかし、利上げ幅は、前会合の声明で「利上げペースを落とすことが適切と予想する」と述べていた通り、1.0%ポイント(過去3回は1.5%ポイント)とされました。

これまで、景気が厳しい状況にあるものの、干ばつや経済再開に伴うインフレの加速を受け、金融引き締めが優先されてきました。急速な利上げペースが今後は緩やかになるとの期待は、ブラジル経済や株式市場にとってマイナス材料の後退(=プラス材料)と受け止められているとみられます。

当面は値動きが大きくなるリスクも残る

また、ブラジルが抱える財政悪化懸念については、足元では若干後退しており、この点も株式市場や通貨レアルにとって、安心材料になっていると考えられます。22年度予算を巡る議論でも、支持率低迷に苦しむボルソナロ大統領は、財政拡大で人気回復を目論んでいましたが、議会は財政規律の維持を盾にそれを阻止した格好で、当初の想定ほど財政赤字の拡大には至らないとみられています。

ただし、ブラジルは今年10月に大統領選挙を控えています。選挙戦を通して財政をはじめ様々な政策動向は大きく変化する可能性があり、ブラジル株式市場や通貨レアルの不安定材料となる可能性があります。また、インフレが一段と加速した場合には、金融政策も再びインフレ抑制が優先となることも想定されます。こうしたブラジル独自の要因に加えて、当面は引き続き、米国をはじめとした主要国の金融政策やロシア、ウクライナなどの地政学リスク動向にも、警戒が必要と考えます。



●当資料はピクテ・ジャパン株式会社が作成した販売用資料であり、金融商品取引法に基づく開示書類ではありません。取得の申込みにあたっては、販売会社よりお渡しする最新の投資信託説明書(交付目論見書)等の内容を必ずご確認の上、ご自身でご判断ください。
●投資信託は、値動きのある有価証券等(外貨建資産に投資する場合は、為替変動リスクもあります)に投資いたしますので、基準価額は変動します。したがって、投資者の皆さまの投資元本が保証されているものではなく、基準価額の下落により、損失を被り、投資元本を割り込むことがあります。
●運用による損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。
●当資料に記載された過去の実績は、将来の運用成果等を示唆あるいは保証するものではありません。
●当資料は信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、その正確性、完全性、使用目的への適合性を保証するものではありません。
●当資料中に示された情報等は、作成日現在のものであり、事前の連絡なしに変更されることがあります。
●投資信託は預金等ではなく元本および利回りの保証はありません。
●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険契約者保護機構の保護の対象ではありません。
●登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の対象とはなりません。
●当資料に掲載されているいかなる情報も、法務、会計、税務、経営、投資その他に係る助言を構成するものではありません。

MSCI指数は、MSCIが開発した指数です。同指数に対する著作権、知的所有権その他一切の権利はMSCIに帰属します。またMSCIは、同指数の内容を変更する権利および公表を停止する権利を有しています。

お申込みにあたっては、交付目論見書等を必ずご確認の上、ご自身でご判断ください。
投資リスク、手続き・手数料等については以下の各ファンド詳細ページの投資信託説明書(交付目論見書)をご確認ください。

ピクテ・インデックス・ファンド・シリーズ - ブラジル株



関連記事


日付 タイトル タグ
日付
2024/03/29
タイトル 2024年の新興国債券市場展望 タグ
日付
2024/02/02
タイトル ブラジル中銀の利下げ見通しと今後の注意点 タグ
日付
2023/09/22
タイトル ブラジルレアル、利下げで大丈夫? タグ
日付
2023/08/03
タイトル ブラジル中銀、きん差で0.5%の利下げ タグ
日付
2023/06/30
タイトル ブラジル、レアル高は続くのか タグ
日付
2023/05/15
タイトル ブラジルのインフレ率の減速、まだ喜べない タグ
日付
2023/04/20
タイトル インドネシア経済の今後の注目点 タグ
日付
2023/04/19
タイトル 経済再開を色濃く反映した中国1-3月期GDP タグ
日付
2023/04/17
タイトル 先週の主な米経済指標を振り返る タグ
日付
2023/04/12
タイトル IMFは世界経済を不安定な回復と分析 タグ
日付
2023/04/11
タイトル 日銀植田新総裁の記者会見のポイント タグ
日付
2023/04/10
タイトル 悩みが深まる?、3月の米雇用統計 タグ
日付
2023/04/07
タイトル インド中銀、意外な据え置きながら反応はまずまず タグ
日付
2023/04/06
タイトル 金曜日を前に、雇用関連データを振り返る タグ
日付
2023/04/05
タイトル 豪中銀、利上げサイクルの終了か、一時停止か? タグ
日付
2023/04/03
タイトル ユーロ圏のインフレ率、コア指数が上昇傾向を維持 タグ
日付
2023/03/31
タイトル ユーロ圏のインフレ対応策に必要なもの タグ
日付
2023/03/30
タイトル 公聴会に見るSVBの顛末記 タグ
日付
2023/03/27
タイトル ブラジル、高水準に政策金利を維持する理由 タグ
日付
2023/02/07
タイトル ブラジル中銀、タカ派姿勢維持の背景 タグ
日付
2022/12/13
タイトル ブラジル、インフレ率低下を素直に喜べない タグ
日付
2022/11/17
タイトル ブラジル、ルラ次期大統領に市場の警戒感 タグ
日付
2022/10/21
タイトル ブラジル大統領決選投票、接戦で終盤に向かう公算 タグ
日付
2022/09/20
タイトル ブラジル、一足先に据え置きの気配だが タグ
日付
2022/08/10
タイトル ブラジル、インフレ率低下の明暗 タグ
日付
2022/06/17
タイトル ブラジル中銀、それでも引き締めは続く タグ
日付
2022/06/16
タイトル ピクテIFブラジル株|割安感は引き続き株価の下支えに タグ
日付
2022/04/01
タイトル ブラジルレアル、足元は堅調 タグ
日付
2022/02/03
タイトル 最近のレアル高の主な背景と今後の展開 タグ
日付
2021/12/10
タイトル ドイツ新政権が直面しそうな課題 タグ
日付
2021/12/09
タイトル 利上げ姿勢が明確だったブラジル中銀 タグ
日付
2021/11/22
タイトル ブラジル、金融と財政の綱渡り タグ
日付
2021/10/20
タイトル 資源高に逆行するレアル タグ
日付
2021/08/25
タイトル ブラジルレアルの足元の変動要因について タグ
日付
2021/08/05
タイトル ブラジル中銀、 1%の大幅利上げと今後のポイント タグ
日付
2021/07/13
タイトル ブラジルレアル、足元の動向について タグ
日付
2021/06/10
タイトル ブラジルインフレ率に見る、レアルの今後 タグ
日付
2021/04/27
タイトル ブラジルレアル改善の鍵は持続性では? タグ
日付
2021/03/19
タイトル ブラジル中銀、市場予想を上回る利上げで正常化に着手 タグ
日付
2021/03/10
タイトル 波に乗れないブラジルレアル タグ
日付
2020/12/04
タイトル 新興国通貨:ブラジル、景気の不透明感を財政規律が払拭 タグ
日付
2020/10/12
タイトル 新興国通貨:ブラジルレアル、不振の理由 タグ
日付
2020/09/23
タイトル ブラジル利下げ停止の背景と今後 タグ
日付
2020/07/03
タイトル 当面は懸念材料も多いが、明るい兆しも タグ
日付
2020/05/07
タイトル ブラジル中銀の利下げの背景と今後の方針 タグ
日付
2020/03/19
タイトル ブラジル中銀、方針変更の裏事情 タグ
日付
2019/11/06
タイトル ブラジル、年金改革法案の次 タグ
日付
2019/08/28
タイトル ブラジル、木を見て森を見ないリスク タグ
日付
2019/07/05
タイトル ブラジル年金改革法案、ひとつの節目を通過 タグ
日付
2019/05/30
タイトル ブラジル、市場動向は依然構造改革次第 タグ
日付
2019/05/22
タイトル 南米の轟音 タグ
日付
2019/05/13
タイトル 出張報告:アルゼンチンとブラジルの現状 タグ
日付
2019/05/09
タイトル ブラジル中銀が見守り姿勢の理由 タグ
日付
2019/03/19
タイトル ブラジル最新事情、年金改革への期待が上回る タグ
日付
2019/03/18
タイトル 新興国市場モニター:新興国の小売の落ち込みに注意 タグ
日付
2019/02/12
タイトル ブラジル、当面は様子見か タグ
日付
2019/01/08
タイトル 高い期待を背景に、ブラジル大統領就任 タグ
もっと見る