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- 高価格・高収益のビジネスモデルの優位性
プレミアム・ブランド企業は、値下げ競争に巻き込まれにくく、価格決定力があることで、高価格・高収益を実現する企業が多く存在。トランプ関税やインフレ再燃などによる企業利益へのマイナスの影響が懸念されるなかでも、価格決定力があることで、底堅い売上成長と相対的に高い収益性の維持は可能と予想される。
プレミアム・ブランド企業は、高価格・高収益のビジネスモデル
当ファンドの投資先であるプレミアム・ブランド企業は、高品質で革新性もある、人々の羨望の的となるような商品・サービスを提供し、顧客との深い信頼関係を築いています。このようにして形成される「プレミアム・ブランド」価値は、容易に真似できるものではなく、新規参入が難しい分野です。そのため、プレミアム・ブランド企業は、値下げ競争に巻き込まれにくく、自らの意思で価格を決定できる力(価格決定力)が比較的強いため、高価格・高収益を実現し、それを維持することが可能です。
一般に、高収益企業は、安定した収益基盤と健全な財務基盤を有していることが多いと考えられますが、プレミアム・ブランド企業の中にも、そのようにファンダメンタルズ(基礎的条件)が良好な企業が多く存在します。
足元では、トランプ関税のほか、原材料価格、人件費、輸送費の高騰など、企業利益の圧迫要因になるとみられる懸念が山積していますが、プレミアム・ブランド企業には価格決定力があるため、コスト負担の増加分を最終価格に転嫁することは比較的容易であると考えられ、引き続き底堅い売上成長と、相対的に高い収益性の維持は可能であると予想されます。
【企業例1】エルメス・インターナショナル(フランス)~伝統と革新性が織りなす高級ブランドの代表格~
「エルメス」ブランドのはじまりは、1837年、ティエリ・エルメスがパリで開業した高級馬具店でした。ナポレオン3世やヨーロッパの王侯貴族などを顧客とし、世界の馬具商として成功を収めました。
その後、社会の変化に対応し、20世紀初頭より革製品・バッグ等の製作を開始しました。高級バッグ「バーキン」や「ケリー」などをはじめとするエルメスの製品は、最高の素材と熟練した職人技にこだわり続けたモノづくりの伝統と、時代の変化に対応する革新性・芸術的デザイン性などから、高価なものでありながらも、富裕層を中心に長年にわたる顧客(固定客)が存在するほか、多くの人々にとって憧れの存在であり、手に入れたいと願う人は後を絶ちません。
同社は強力なブランド力を背景とした価格決定力などにより、高級ブランド企業の中でも際立つ高収益性を実現しています。近年では、生産コストの増加や為替変動などを受けて、年に複数回の値上げを実施していますが、それでもなお、人気は衰えていません。2025年に入っても、2月に世界的な値上げを実施しましたが、米国については5月にトランプ関税を考慮し、追加値上げが実施されました。米国における値上げの例を人気の「バーキン25トゴ」でみると、2025年2月に約6%の値上げ、5月にさらに5%の値上げが実施されました。
【企業例2】フェラーリ(イタリア)~卓越したデザイン性と高性能を兼ね備えた、憧れの高級スポーツカー~
フェラーリは、イタリアの元レーシングドライバー兼レーシングチームオーナーのエンツォ・フェラーリによって、1947年に設立された高級スポーツカー・メーカーです。超高価格であるにもかかわらず、多くのモデルには常にウェイティング・リストができるほど、顧客からの熱烈な支持を集めています。
フェラーリは、強力なブランド力に加えて、生産台数を限定することなどで希少性を高めていること、顧客の要望に合わせたオプションやカスタマイゼーションなどの付加価値を提供することなどで、高価格・高収益性を実現しています。
フェラーリが2024年10月に発表した最新のスーパーカー「F80」(2025年末より出荷予定)は、限定生産台数799台、イタリアでの販売価格は360万ユーロ(約5億9,600万円注)とされています。当初、富裕層を対象に開かれた内覧会では好評を得ており、正式な販売契約ではないものの799台全てが既に購買見込み客によって非公式な形で予約済みになっているとも報じられました。
注:2024年10月末時点1ユーロ=165.69円で円換算
また、2025年3月には、トランプ関税の影響を考慮し、4月2日以降に米国へ輸出する全車種について最大10%の値上げを実施すると発表しました。
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