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2024年、プレミアム・ブランドを支える3つのポイント
2024/01/05

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概要


●2023年、プレミアム・ブランド企業は、プラス材料とマイナス材料の両方に直面
●2023年年間の当ファンドの基準価額は、株式・為替要因ともにプラスとなり上昇
●2024年は、①アジアの消費者による旺盛な需要、②健全な財務基盤、➂魅力的な足元のバリュエーション水準などが、プレミアム・ブランド企業の株価を支えると期待



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プラス材料とマイナス材料の両方に直面した2023年

2023年1年間で、当ファンドの分配金再投資後基準価額は+24%の上昇となりました。投資先であるプレミアム・ブランド企業の株価が上昇したことによる株式要因のプラス寄与に加えて、主要通貨に対して円安が進行したことによる為替要因のプラス寄与からも恩恵を受けました。

2023年、プレミアム・ブランド企業は、プラス材料とマイナス材料の両方に直面しました。

マイナス材料となったのは、世界的なインフレの高止まりや、欧米金融当局の利上げ継続などであり、消費者の消費意欲を減速させる結果となりました。さらに、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻の長期化や中東情勢の緊迫化など、地政学リスクが高まったことも、消費者心理に影を落としました。

その一方、プラス材料としては、中国のゼロコロナ政策終了により、これまで抑えられてきた中国の人々の消費が、緩やかながらも回復に向かったことです。


プラス材料・マイナス材料が入り混じる中でも、消費者を惹きつけてやまない魅力ある商品・サービスを提供しているプレミアム・ブランド企業については、業績の回復傾向が続き、過去最高の利益や利益率を発表する企業も散見されました。


1.中国をはじめとしたアジアの消費者が、プレミアム・ブランド需要をけん引


(中国)

2023年は、富裕層を中心にプレミアム・ブランド商品・サービス需要は大きく回復しました。一方、中間所得層については、景気の先行き不透明感が残る中で、消費は抑制傾向が続き、回復は緩やかなものにとどまりました。


しかし、2024年以降は中間所得層についても、需要の本格的な回復が予想されます。プレミアム・ブランド企業の中でも中間所得層の顧客が相対的に多いとみられるスポーツ関連企業の2023年7-9月期決算などからも、中国市場が徐々に回復基調にあることが示されました。また、新型コロナウイルスの感染拡大期において、中国当局は中国から海外への団体旅行を制限していましたが、2023年2月以降、段階的に緩和しています。その後、2023年8月には、日本、韓国、オーストラリア、米国、ドイツ、英国などをはじめとする78の国と地域を対象に新たに団体旅行の解禁を発表しました。団体旅行に参加するのは、マス層やプレミアム・ブランドに憧れを持つ層が多く含まれる可能性が高いとみられます。海外旅行の再開は、プレミアム・ブランド商品の購入やサービスの利用(ホテルへの宿泊など)につながると期待されます。

中国経済の先行きについては懸念が残りますが、中国の「消費者」に注目すれば、プレミアム・ブランド商品・サービスに対して依然として旺盛な需要があるとみています。

(その他の地域)

欧州や日本、その他アジア諸国のプレミアム・ブランド商品・サービス市場は、国外・域外からの旅客数の増加により、拡大が期待できると考えています。一方、米国市場については、コロナ後の旺盛なリベンジ消費に支えられ、2021~2022年度は高成長を記録しましたが、2023年以降の四半期決算で示された米国市場の成長率は、低下傾向が顕著となりました。2024年についても、通常時の成長ペースへと収れんしていくことが予想されます。


2.健全な財務基盤~M&Aの動きが活発になることも予想される~

多くの企業が、金利上昇による債務コストの増加や、景気減速による需要減退という難局に直面する可能性が高い一方、プレミアム・ブランド企業の多くは、健全な財務基盤を有し、さらに、消費者を惹きつけてやまない魅力ある商品・サービスを提供していることなどから、継続してキャッシュ・フローを創出することができると予想されるため、相対的に優位性を持っていると考えられます。

なお、短期的な事業環境も、多くのプレミアム・ブランド企業にとって好ましい状況が続くとみています。高級ブランド企業やホテル運営企業については、強力な価格決定力と旺盛な旅行・レジャー需要などから恩恵を受けると予想されます。また、スポーツ関連、化粧品および高級酒企業などについては、在庫調整が進み、今後、さらなる大幅な値引き販売を行う必要性が低下しています。このため、増益および利益率改善期待が高まります。

また、健全な財務基盤を有するプレミアム・ブランド企業は、潤沢な手元資金などを使って、競合企業などを買収することも可能です。ここ最近でも、いくつかのM&A(合併・買収)の例がありました。2024年も、強力なブランド力・健全な財務基盤を有する企業が、ブランド戦略や財務面などにおいて助けを必要としている企業を買収する動きは続く可能性があります。

3.魅力的な足元のバリュエーション水準

また、足元のプレミアム・ブランド企業の株式のバリュエーション(投資評価価値)水準をみると、過去10年間の平均を下回る企業も散見されます。今後、インフレが落ち着き、欧米などの金融当局による金融引き締め姿勢が後退し、利下げへと転換した場合には、消費者心理は大きく改善し、プレミアム・ブランド商品・サービス需要拡大が後押しされると考えられます。こうしたシナリオと魅力的な足元のバリュエーション水準を考慮すると、プレミアム・ブランド企業への良好な投資機会になる可能性もあると考えています。

中長期的にみたプレミアム・ブランド企業の株式への投資の魅力は変わらない

プレミアム・ブランド企業は、他の企業が簡単に真似することができない商品・サービスを提供し、主な顧客は、富裕層やよりよいモノやサービスを熱望する消費者です。こうした点で、一般的な消費財・サービスとは一線を画していると考えられます。



比較的景気変動の影響を受けにくい富裕層の顧客は、プレミアム・ブランド商品・サービス需要を支える存在となると期待されます。さらに、購買力を高めつつある消費意欲旺盛なアジア新興国の中間所得層の拡大は、今後も中長期的に、プレミアム・ブランド商品・サービスの需要拡大をけん引すると期待されます。

もちろん、世界経済の動向や足元の中東情勢の緊迫化など地政学リスクの高まりがプレミアム・ブランド企業の業績や株価動向にマイナスの影響を及ぼす懸念は依然として残りますが、中長期的にみたプレミアム・ブランド企業の株式への投資の魅力には変わりがないと考えています。

ファンドの運用に際しては引き続き、消費者の「羨望の的」となるような強力で魅力的なブランド力を確立している企業の中から銘柄を厳選して投資を行っていく方針です

※将来の市場環境の変動等により、上記の内容が変更される場合があります。


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