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- プレミアム・ブランド|価格に見合う価値を提供し続けることができるかがカギに
●年初来の高級ブランド企業の株価は、トランプ関税の脅威や収益性悪化懸念などが重荷となり低調
●高級ブランド企業には価格決定力があり、高い収益性を維持できるとの見方には変わりがない。値上げされてもなお、それに見合う価値があると認められる商品・サービスを提供し続けることができるかがカギに
2026年年初来の株価動向 ~トランプ関税の脅威や収益性悪化懸念などが重荷に
2026年年初来の主要高級ブランド企業の株価は低調に推移しています。その要因の1つには、トランプ米大統領による欧州への関税政策を巡る懸念があります。
トランプ米大統領は1月17日に、欧州8カ国(デンマーク、ノルウェー、スウェーデン、フランス、ドイツ、オランダ、フィンランド、英国)からの輸入品に対して10%の追加関税を2月1日より発効、さらに6月1日には25%へと引き上げ、米国によるデンマーク自治領グリーンランドの完全取得に関する合意が成立するまで継続すると表明しました。さらに、フランス産ワインとシャンパンに対しては、200%の関税を課すとも述べました。こうしたトランプ関税を巡る新たな脅威を受けて、欧州の高級ブランド企業の株価は軒並み下落しました。
その後、世界経済フォーラム(WEF)年次総会(ダボス会議)において、トランプ米大統領はマーク・ルッテNATO(北大西洋条約機構)事務総長との会談後、欧州8ヵ国に対する10%の追加関税については撤回しましたが、関税リスクが完全に払拭されたわけではなく、引き続き株価の重荷となっています。
また、金価格高騰など原材料価格の上昇により、高級ブランド企業の収益性が悪化すると懸念する見方も高まっています。
価格に見合う価値を提供し続けることができるかがカギに
一般に、高級ブランド企業は価格決定力を有しており、関税引き上げや原材料価格上昇などによるコスト負担の増加分を、最終価格に比較的容易に転嫁することができるため、高い収益性を維持できると考えられます。今後も、コスト管理のさらなる徹底や値上げなどによって高収益性を維持することが可能であると考えられますが、ここ数年は多くの高級ブランド企業がより積極的な値上げを行ってきただけに、さらなる値上げは顧客離れを加速させるとの懸念もあります。
こうしたなかで、これまでに多くの高級ブランド企業が、クリエイティブ体制の刷新や、体験型店舗の展開、限定イベントの開催など、顧客に新しい価値を提供することに注力してきました。このような施策の効果により、値上げされてもなお、それに見合う価値があると顧客に認められる商品・サービスを提供し続けることができるかが、価格決定力と収益性の維持のカギとなるでしょう。
これから本格化する、2025年10-12月期決算発表に注目
2025年の年末商戦を含む2025年10-12月期の決算発表はこれから本格化しますが、既に2025年10-12月期の売上高を発表しているブルネロ・クチネリ(イタリア)、バーバリー・グループ(英国)、フィナンシエール・リシュモン(スイス)からは、市場予想を上回る良好な内容が発表されました。一方、LVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(フランス)は、好材料・懸念材料が入り混じる内容となりました。
いずれにしても、今後発表される企業決算の内容を注視していく必要があると考えられます。
(ご参考) 既に発表があった当ファンド組入上位の高級ブランド企業について
フィナンシエール・リシュモン(2025年12月末時点、組入第5位)
2025年10-12月期の売上高は、特に「カルティエ」をはじめとした宝飾品部門が好調で、全体では前年同期比+11%(為替変動等の影響を除くベース)となりました。地域別では、米州と日本が2ケタ増収となったほか、中国をはじめとしたアジア(除く日本)も1ケタ台後半の増収となりました。
LVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(同2位)
2025年10-12月期の売上高は、前年同期比+1%(為替変動等の影響を除くベース)と市場予想をやや上回りました。地域別には、米国は引き続き底堅く、また、中国をはじめとしたアジア(除く日本)は回復基調にあることを示し、ともに市場予想を上回りました。一方、日本と欧州は市場予想を下回る減収となりました。部門別には、主力のファッション・レザー部門が同-3%と本格回復に至っていない状況を示した一方で、「ブルガリ」をはじめとした宝飾品・時計部門は同+8%と好調でした。
足元のような不確実性の高い市場環境のなかで、消費者は流行り廃りがあるデザイン性の高いアパレルや皮革製品より、ブランドの伝統を象徴するような商品や宝飾品などに価値を見出しているのかもしれません。
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