Article Title
価格決定力に注目し、銘柄選別をより強化
2025/06/10

Share

Line

LinkedIn

URLをコピー

概要


トランプ関税や世界経済の先行き懸念などを受けて、プレミアム・ブランド企業の株価は年初来、低調な動きとなっています(6月5日時点)。運用に際しては、ブランド力を裏付けとした強力な価格決定力を有する企業を中心に、銘柄選別をより強化する方針です。



Article Body Text

■ 2025年年初来の当ファンドのパフォーマンス状況

世界のプレミアム・ブランド企業の株式に投資を行う当ファンドのパフォーマンスは、2025年年初来(6月5日まで)で-8%の下落となりました。円高進行による為替要因のマイナスに加えて、投資先であるプレミアム・ブランド企業の株価の下落も響きました。また、下落率は、同期間における先進国株式(-6%)より大きくなりました。

2025年1月~2月半ばにかけては、2024年の年末商戦が好調であったことなどを受けて、予想を上回る2024年10-12月期決算の発表が相次いだことから、需要に回復の兆しがみられるとの見方が強まり、プレミアム・ブランド企業の株価は相対的に大きく上昇しました。

しかし、2025年2月半ば以降、世界の株式市場は、トランプ米大統領の関税政策を巡って神経質な展開となり、4月月初にトランプ大統領が相互関税を課すと発表したことを受けて大幅安となりました。この局面で、輸出企業が中心のプレミアム・ブランド企業の株価は市場平均以上に大きく下落しました。ただし、その後は値を戻しつつあります(6月5日時点)。

※上記文章中の当ファンドのパフォーマンスは、当ファンドの分配金再投資後基準価額で計測しています。また、先進国株式はMSCI世界株価指数(配当込み、円換算ベース)です。

■難局を乗り切るカギは、「価格決定力」

2025年年初来、足元(2025年6月5日)までの当ファンドのパフォーマンスに対して、マイナスの寄与度が大きかった銘柄には、サプライチェーン(供給網)を中国や東南アジアの製造業者に依存していることなどから、トランプ関税の影響をより大きく受けるとみられるスポーツ関連企業のほか、傘下に多様な分野のブランドを有する高級ブランドのコングロマリット企業などが含まれました。

一方で、ブランド力を裏付けとした強力な価格決定力により、トランプ関税の影響を比較的小さく抑えられるとみられる銘柄や、関税の直接的な影響を受けない分野の銘柄などは、プラスの寄与となりました。

運用に際しては、関税引き上げによって発生する負担増加分を、商品価格の値上げで吸収できるような強力な価格決定力を有する企業に注目していくほか、関税の直接的な影響を受けないサービス関連分野の企業などに傾斜したポートフォリオの構築を行う方針です。

また、経済の先行きに不透明感が強まる局面で、プレミアム・ブランド商品・サービスを買い控える動きが強まることはありますが、プレミアム・ブランド商品・サービスに対する消費者の熱望が完全に消え去るわけではないと考えます。プレミアム・ブランド企業が提供する商品・サービスは、幸福感や優越感といった特別な感情をもたらすものであり、人々を魅了してやみません。この点は、一般的な消費財やサービスとは大きく異なる特徴です。一時的に買い控えなどで需要が抑えられたとしても、潜在的な需要がいずれは顕在化すると考えられます。

さらに中長期的には、新興国の人々の購買力向上などが、プレミアム・ブランド需要を一段と拡大させる原動力になる可能性もあるとの見方には変わりがありません。

【ご参考】 組入上位銘柄の直近四半期決算(主に2025年1-3月期)のポイント

アメリカン・エキスプレス(米国)|引き続き底堅さをみせる、富裕層の消費                                  

2025年1-3月期の営業収益は前年同期比+8%(為替の影響を除く)、純利益は同+6%となりました。同社のカード会員は比較的、富裕層が多く、景気の先行き不透明感が高まるなかでも、富裕層の消費は底堅く推移したことを示しました。会社側は、1月時点の2025年通期見通し(営業収益は前年比+8%~10%)を据え置き、景気動向には注視するとしながらも、比較的良好な事業環境が続くとみています。

エルメス・インターナショナル(フランス)|顧客からの熱烈な支持は健在

2025年1-3月期売上高は、前年同期比+7%(為替変動の影響を除いたベース)と増収を確保したものの、これまでに比べると、増収率は減速しました。この背景には、中国需要の減少により、地域別でアジア(除く日本)が同+1%にとどまったことがあります。ただし、その他地域では、2ケタ増収ペースが続いており(米国を中心とした北・南米地域(同+11%)、欧州(同+13%)、日本(同+17%)) 、引き続き顧客から熱烈な支持を集めていることを示した格好です。

また、会社側はトランプ関税を踏まえて、米国で値上げを実施することも併せて発表しました。

アディダス(ドイツ)|消費者が熱望する商品を提供し、市場シェアを拡大中

2025年1-3月期の売上高は前年同期比+13%(為替変動の影響を除いたベース)、粗利益率は52.1%と前年同期比0.9パーセント・ポイントの改善となりました。また、営業利益は、前年同期比+82%と大幅増益となりました。引き続き、「サンバ」をはじめとした欧州らしい薄底でレトロなスニーカー(テラスシューズ)人気を受けて、市場シェアを拡大させている模様です。同社のブランド力は、スニーカーやアパレルなど幅広いスポーツ関連のカテゴリーで高まっており、競争優位性をもたらすと期待されます。

会社側は、2025年通期について増収増益を見込んでおり、1月時点の予想を据え置いたものの、トランプ関税の影響の不確実性を考慮し、予想レンジを拡大しました。

フェラーリ(イタリア)|高価格・高収益化が加速

2025年1-3月期の売上高は前年同期比+13%、利益(税引前利払前償却前)は同+15%と良好な決算となりました。また、利益率は38.7%と前年同期比0.5パーセント・ポイントの改善となりました。引き続き、販売台数ではなく、売上高の質を重視(プロダクト・ミックスの改善、「パーソナライゼーション」(顧客の希望に添ったカスタム化、オプション追加など)の拡大など)する戦略が奏功しています。

また、会社側は2025年1-3月期決算発表前の3月に、トランプ関税の影響を考慮し、4月2日以降に米国へ輸出する全車種について最大10%の値上げを実施すると発表していました。

フィナンシエール・リシュモン(スイス)|際立つ「宝石商の王」としての存在感

2025年1-3月期売上高は、前年同期比+7%(為替変動等の影響を除いたベース)となりました。

地域別では、中国需要の低迷を受けてアジア(除く日本)が同-7%となったものの、それ以外の地域では、米国中心の北・南米地域(同+16%)、欧州(同+13%)、日本(同+22%)といずれも2ケタ増収と好調でした。また、事業部門別では、時計部門が低調であった一方、富裕層を中心とした旺盛な宝飾需要を背景にジュエリー部門(「カルティエ」や「ヴァン クリーフ&アーペル」など)が同+11%と好調でした。


●当資料はピクテ・ジャパン株式会社が作成した販売用資料であり、金融商品取引法に基づく開示書類ではありません。取得の申込みにあたっては、販売会社よりお渡しする最新の投資信託説明書(交付目論見書)等の内容を必ずご確認の上、ご自身でご判断ください。
●投資信託は、値動きのある有価証券等(外貨建資産に投資する場合は、為替変動リスクもあります)に投資いたしますので、基準価額は変動します。したがって、投資者の皆さまの投資元本が保証されているものではなく、基準価額の下落により、損失を被り、投資元本を割り込むことがあります。
●運用による損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。
●当資料に記載された過去の実績は、将来の運用成果等を示唆あるいは保証するものではありません。
●当資料は信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、その正確性、完全性、使用目的への適合性を保証するものではありません。
●当資料中に示された情報等は、作成日現在のものであり、事前の連絡なしに変更されることがあります。
●投資信託は預金等ではなく元本および利回りの保証はありません。
●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険契約者保護機構の保護の対象ではありません。
●登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の対象とはなりません。
●当資料に掲載されているいかなる情報も、法務、会計、税務、経営、投資その他に係る助言を構成するものではありません。

MSCI指数は、MSCIが開発した指数です。同指数に対する著作権、知的所有権その他一切の権利はMSCIに帰属します。またMSCIは、同指数の内容を変更する権利および公表を停止する権利を有しています。

お申込みにあたっては、交付目論見書等を必ずご確認の上、ご自身でご判断ください。
投資リスク、手続き・手数料等については以下のファンド詳細ページの投資信託説明書(交付目論見書)をご確認ください。

ピクテ・プレミアム・ブランド・ファンド(3ヵ月決算型)



関連記事


日付 タイトル タグ
日付
2025/06/02
タイトル ブランド|なぜ今、プレミアム・ブランド企業に注目すべきか? タグ
日付
2025/04/10
タイトル ブランド|トランプ関税ショックを乗り越えるカギ、「価格決定力」 タグ
日付
2025/04/04
タイトル ブランド|トランプ関税ショックを受けて、世界的に大幅株安 タグ
日付
2025/04/01
タイトル ブランド|2025年年初来の基準価額動向と今後の見通し タグ
日付
2025/03/03
タイトル 年初来、動き出す欧州株式 タグ
日付
2025/02/20
タイトル ブランド|プレミアム・ブランド需要に回復の兆し タグ
日付
2025/01/21
タイトル 需要回復の兆しとの見方から、高級ブランド企業の株価は反発 タグ
日付
2025/01/08
タイトル ブランド|2025年の展望|好転するとみる4つの理由 タグ
日付
2024/11/15
タイトル ブランド|2024年年初来の基準価額動向と見通し タグ
日付
2024/09/27
タイトル 中国の景気下支え策発表を受けて、株価は反発 タグ
日付
2024/08/27
タイトル ブランド|直近四半期決算の動向と当ファンドの組入れ状況 タグ
日付
2024/08/20
タイトル ブランド|足元の基準価額動向と今後の見通し タグ
日付
2024/07/25
タイトル ファンド・マネージャーの視点|高級ブランド企業の成長率は「正常化」 タグ
日付
2024/07/23
タイトル ファンド・マネージャーの視点|銘柄間格差の拡大~銘柄選別の重要性が高まる局面 タグ
日付
2024/06/20
タイトル ブランド|景況感とプレミアム・ブランド企業の株価の関係 タグ
日付
2024/06/14
タイトル 変化する旅行の在り方~「ブレジャートラベル」需要の拡大 タグ
日付
2024/06/12
タイトル プレミアム・ブランドにおける「イノベーション」とは?~技術革新の話ではない~ タグ
日付
2024/05/28
タイトル ブランド|株価の下支えとなる4つのポイント タグ
日付
2024/03/28
タイトル ファンド・マネージャーの視点| ケリングの業績低迷は、高級ブランド企業全般に及ぶ問題ではない タグ
日付
2024/03/25
タイトル ブランド|人々から熱望され続ける、プレミアム・ブランド タグ
日付
2024/02/22
タイトル ブランド|直近決算が示す、底堅いプレミアム・ブランド需要 タグ
日付
2024/01/05
タイトル ブランド|2024年、プレミアム・ブランドを支える3つのポイント タグ
日付
2023/11/13
タイトル ブランド|強弱はあるものの、概ね底堅い業績動向 タグ
日付
2023/10/12
タイトル ブランド|プレミアム・ブランド企業の足元の株価動向 タグ
日付
2023/08/18
タイトル ブランド|堅調な業績動向。今後は海外旅行の回復に期待 タグ
日付
2023/07/21
タイトル ブランド|設定来で先進国株式を上回るパフォーマンス タグ
日付
2023/06/15
タイトル ブランド|プレミアム・ブランド、特徴と投資対象としての魅力 タグ
日付
2023/06/05
タイトル ブランド|ファンド・マネージャーの視点~足元のプレミアム・ブランド企業の株価動向について~ タグ
日付
2023/05/26
タイトル ブランド|2023年1-3月期は好決算。今後の成長にも期待 タグ
日付
2023/04/17
タイトル ブランド|決算で示されつつある、中国のプレミアム・ブランド市場の回復 タグ
日付
2023/04/04
タイトル ブランド|引き続き、相対的に高い利益成長期待 タグ
日付
2023/03/17
タイトル ブランド|ファンド・マネージャーの視点~2023年を注目の年と考える理由 タグ
日付
2023/03/02
タイトル ブランド|業界専門家からのアドバイスを活用 タグ
日付
2023/03/01
タイトル ブランド|「中国の経済再開」をより意識した、ポートフォリオに タグ
日付
2023/02/24
タイトル 回復に向かう、世界の旅行需要 タグ
日付
2023/02/22
タイトル 中国の経済再開で、期待が高まるプレミアム・ブランド タグ
日付
2023/02/21
タイトル ブランド|中国の経済再開で動き出す、中国の消費パワー タグ
日付
2023/02/03
タイトル ブランド|2023年の展望、中国の経済再開で需要の本格回復に期待 タグ
日付
2023/01/20
タイトル ブランド|中国の経済再開による恩恵を享受 タグ
日付
2022/12/22
タイトル ブランド|不透明な市場環境の中、注目される 「価格決定力」 タグ
日付
2022/11/02
タイトル ブランド|一般的な消費財企業とは一線を画す、「ダイヤモンドの原石」 タグ
日付
2022/10/12
タイトル ブランド|市場全体の流れの中で、一段の下落に警戒しつつも、その後の反発に期待 タグ
日付
2022/08/25
タイトル ブランド|利益回復期待が高まる、トラベルおよび レジャー関連分野のプレミアム・ブランド企業 タグ
日付
2022/07/27
タイトル ブランド|相対的に高い利益成長力。過去の反発局面では、力強い株価上昇 タグ
日付
2022/06/17
タイトル ブランド|世界的な株安の影響を受けるも、長期的な成長見通しに変わりなし タグ
日付
2022/05/30
タイトル ブランド| 経済活動の正常化の流れが、株価の下支えに タグ
日付
2022/03/24
タイトル プレミアム・ブランド|経済正常化の一段の進展が支えに タグ
日付
2022/02/25
タイトル プレミアム・ブランド|ウクライナ情勢の影響 タグ
日付
2022/02/21
タイトル プレミアム・ブランド|引き続き、経済正常化の流れが追い風 タグ
日付
2022/01/06
タイトル プレミアム・ブランド企業の強力な「価格決定力」 タグ
日付
2021/12/17
タイトル コロナ・ショックを経ても変わらぬ、ブランドの魅力 タグ
日付
2021/11/29
タイトル 新たな変異株出現でも、プレミアム・ブランドの魅力に変化なし タグ
日付
2021/11/05
タイトル プレミアム・ブランド|力強い回復と期待が引き続き追い風 タグ
日付
2021/10/01
タイトル プレミアム・ブランド企業を取り巻く事業環境は引き続き良好 タグ
日付
2021/08/24
タイトル ここ最近の当ファンドの基準価額動向について タグ
日付
2021/07/16
タイトル インフレ懸念の高まりとプレミアム・ブランド企業の株価動向 タグ
日付
2021/06/28
タイトル 高い成長期待と「質」の高さに対するプレミアム タグ
日付
2021/06/17
タイトル 相対的に高い利益成長力が、株価を下支え タグ
日付
2021/05/11
タイトル 鮮明となりつつある、プレミアム・ブランドの「リベンジ消費」拡大の動き タグ
日付
2021/03/31
タイトル 個人消費回復と消費の二極化トレンドが追い風に タグ
日付
2021/03/22
タイトル 「リベンジ消費」期待から復活の兆し、プレミアム・ブランド株式 タグ
日付
2021/03/04
タイトル 「リベンジ消費」拡大で恩恵を受けるプレミアム・ブランド タグ
日付
2021/02/18
タイトル 不透明感が残る市場環境下、「強力に利益を生み出せる力」が注目される可能性も タグ
日付
2021/02/16
タイトル 復活の兆しが見え始めた、プレミアム・ブランド株式 タグ
日付
2020/11/04
タイトル プレミアム・ブランド株式を取り巻く「今」:向かい風の中明るい兆しも タグ
日付
2020/08/19
タイトル 引き続き人々の「羨望の的」となるような強力なブランド力に注目 タグ
もっと見る