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- 出遅れ感が強まるなか、明るい兆しも散見
●2025年年初来では、トランプ関税によるマイナスの影響への懸念などがプレミアム・ブランド企業の株価の重荷となり、先進国株式に比べて出遅れ感が強まっている
●しかし、足元では高級品需要の持ち直しの兆しを示唆する企業決算の発表など、明るい材料もみられはじめている
2025年年初来の当ファンドのパフォーマンス状況
世界のプレミアム・ブランド企業の株式に投資を行う当ファンドの分配金再投資後基準価額は、2025年年初来(11月12日まで)で+2%となりました。円安・ユーロ高の進行などにより為替要因が大きくプラスになったほか、株式要因もプラスとなりました。
2025年2月半ば以降、世界の株式市場は、トランプ米大統領の関税政策を巡って神経質な展開となり、4月月初にトランプ米大統領が相互関税を課すと発表したことを受けて大幅安となりました。この局面で、輸出企業が中心のプレミアム・ブランド企業の株価は相対的に下落率が大きくなりました。その後は値を戻しつつあるものの、引き続きトランプ関税をめぐる不確実性が残るほか、景気減速やインフレ再燃への懸念などが消費者心理を抑制する状況が続いており、こうしたことなどが株価の重荷となっています。また、プレミアム・ブランド企業が提供する商品やサービスは、世界の株式市場の相場をけん引しているAI(人工知能)関連銘柄とは関連性が薄いことなどもあり、先進国株式に比べると出遅れ感が強まっています。
出遅れ感が強まるなか、足元では、明るい兆しも散見
2025年年初来(2025年11月12日まで)の当ファンドの基準価額に対してマイナスの寄与度が大きかったのは、ルルレモン・アスレティカ、デッカーズ・アウトドア、アディダスなどのスポーツ関連分野の企業でした。スポーツ関連分野の企業は、トランプ関税が及ぼす業績へのマイナスのインパクトが相対的に大きいと懸念されていることなどが、株価の重荷となりました。
一方で、ガルデルマ・グループ、エシロール ルックスオティカ、アメリカン・エキスプレスなど、好決算を背景に株価が堅調に推移している企業も存在しています。
さらに、足元では明るい材料もみられはじめています。世界最大の高級ブランド・コングロマリット企業であるLVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(以下、LVMH)が発表した2025年7-9月期売上高は、中国や米国市場の改善などから市場予想に反して好転し、高級品需要の持ち直しの兆しが示唆されました。LVMHでは、中国市場の回復の兆しを捉えて、傘下の「ルイ・ヴィトン」や「ティファニー」などが出店拡大を検討しているとも報道されています。
また、トランプ米大統領は2025年8月、スイスからの輸入品に対して日本や欧州連合(EU)などに対する関税率(15%)を大きく上回る39%の関税を課すと発表しました。足元では、米国とスイスの貿易交渉により、関税率の引き下げ合意が近いとの報道もあります(2025年11月12日時点)。プレミアム・ブランド企業の中には、スイスから商品を米国に輸出している企業も存在しています。これらの企業にとって、米国とスイスの貿易交渉の進展はプラス材料になると期待されます。
米国(特に富裕層)の底堅い需要、中国市場の回復などが株価・業績を下支え、さらに、消費者心理の改善が進めば一段の追い風になると期待
足元のプレミアム・ブランド企業の業績動向から、米国の消費、特に、富裕層の消費については、堅調な株式市場やAIなどのテクノロジーへの強い関心、米国と各国の貿易協議の進展が期待されるなかトランプ関税を巡る不確実性が後退しつつあることなどを背景に、力強い回復力が示されています。
中国についても、経済全体については引き続き強弱入り混じるマクロ経済指標の発表が続いており、中国当局による景気刺激策の効果が十分に顕在化されていませんが、プレミアム・ブランド需要については回復の兆しもみられつつあります。
中国をはじめとするアジアと米国は、多くのプレミアム・ブランド企業にとって特に重要な市場です。米国の富裕層のプレミアム・ブランド需要の底堅さや、中国市場の回復の兆しは、プレミアム・ブランド企業の業績や株価を下支えるものとみられます。さらに今後、トランプ関税を巡る不確実性や景気の先行き不透明感などの懸念が後退すれば、消費者心理の改善が進み、一段の追い風になると期待されます。
運用に際しては、関税負担などのコスト増加分を、商品価格の値上げで吸収できるような強力な価格決定力やキャッシュフロー創出力に注目し、引き続き銘柄選別を強化していく方針です
※「【ご参考】 サブセクター別にみた、主な企業の直近(主に2025年7-9月期)決算動向と運用チームの視点・注目点など」も併せてご参照ください。
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