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- なぜ今、プレミアム・ブランド企業に注目すべきか?
1.ブランド力に裏付けされた、強力な価格決定力
2.欧州を起源とする企業が多い
3.株価の反発力
1.ブランド力に裏付けされた、強力な価格決定力|トランプ関税への懸念が残るなか、高収益性を維持するカギとなる
プレミアム・ブランド企業の多くは輸出企業であり、トランプ関税や世界的な貿易戦争へ発展した場合、その影響を免れることはできません。しかし、プレミアム・ブランド企業には、一般的な消費関連企業とは異なり、ブランド力を裏付けとした強力な価格決定力があります。一段の値上げによっても、手に入れたいと願う熱狂的なファンが存在することや、富裕層の顧客が多いことなどから、需要の大幅減を避けつつ、関税コストを消費者に転嫁することは比較的容易に行えます。
また、関税コストの消費者への転嫁が少々遅れたとしても、もとより相対的に高い利益率であるために、一時的な負担増を吸収する余力も大きいとみられます。
実際、例えば、エルメス・インターナショナル(フランス)は、2025年4月に、翌5月より米国で全カテゴリーの商品を対象に価格を引き上げ、トランプ関税への対応を図る方針を示しています。
関税コストだけでなく、原材料価格や人件費、輸送費高騰などインフレが再加速した場合にも、強力な価格決定力により、相対的に高収益性を維持し続けることができると考えられます。
2. 欧州を起源とする企業が多い|米国株式以外の、魅力的な選択肢の1つ
当ファンドの投資対象であるプレミアム・ブランド企業は、歴史的・文化的な背景などから、欧州を起源とする企業が比較的多く存在しています。2025年4月末時点の当ファンドの国別組入比率をみると、欧州の組入比率が合計で約54%となっています。
一般に、株式投資においては米国株式が中心となりがちですが、2025年年初来の株式市場では、米国株式以外の株式の上昇率が相対的に大きくなるなど、これまでとは異なる動きもみられています(2025年5月28日時点)。こうしたなかで、米国株式以外の魅力的な株式に、今後さらなる注目が集まる可能性もあると考えられます。
※組入比率は、主たる投資対象であるピクテ・プレミアム・ブランド・マザーファンドにおける状況
3.株価の反発力|プレミアム・ブランド商品・サービスに対する人々の熱望が後押し
プレミアム・ブランド企業の株価は、世界的な経済危機時や景気減速局面などで、大きく需要が減退するとの懸念などから、先進国株式に比べて大きく下落する傾向がみられてきました。しかし、その後の回復局面では、株価は相対的に大きく反発してきました。
経済の先行きに不透明感が強まる局面で、プレミアム・ブランド商品・サービスを買い控える動きが強まることはありますが、プレミアム・ブランド商品・サービスに対する消費者の熱望が完全に消え去るわけではないと考えます。プレミアム・ブランド企業が提供する商品・サービスは、幸福感や優越感といった特別な感情をもたらすものであり、人々を魅了してやみません。この点は、一般的な消費財やサービスとは大きく異なる特徴です。一時的に買い控えなどで需要が抑えられたとしても、潜在的な需要がいずれは顕在化すると考えられます。直近の典型的な例では、コロナ・ショック後のいわゆる「リベンジ消費」のような動きです。
また、プレミアム・ブランド企業が多く抱える富裕層顧客は、景気変動の影響を比較的受けにくく、景気サイクル全般を通して、需要を下支えする存在になるとみられます。
足元の株式市場においても、トランプ関税や世界経済の先行き不透明感など様々な懸念材料が残りますが、これらの懸念が後退していくなかで、プレミアム・ブランド企業の潜在的な成長性や良好な企業のファンダメンタルズ(基礎的条件)が見直されることで、株価が反発することが期待できると考えます。
魅力的なバリュエーション水準も、株価の下支えに
2025年年初以降のプレミアム・ブランド企業の株価動向をみると、1月半ばには、2024年の年末商戦が好調で、引き続き旺盛な需要があることが決算で示されたことなどを受けて、大きく上昇する局面もありました。しかし、トランプ米大統領の関税政策の行方や、それによる世界経済へのマイナスの影響などへの懸念が高まったことが、株価の重荷となり、4月上旬には大幅下落局面を経験しました。その後、足元(2025年5月28日)までは、米国と各国の貿易交渉の進展期待などもあり、やや値を戻していますが、世界経済の先行き不透明感などの懸念材料は依然として払拭されていません。
株価下落を受けて、プレミアム・ブランド企業の株式のバリュエーション(投資価値評価)水準は低下しています。当ファンドと同様の運用を行う類似ファンドの組入銘柄における予想株価収益率(PER)は、2025年4月末時点で過去10年間の平均をやや下回る水準に低下しました。
プレミアム・ブランド企業は、先進国株式に比べると、相対的にバリュエーション水準が高い傾向があります(2025年4月末時点の先進国株式の予想PERは16.3倍)。この背景には、プレミアム・ブランド企業に対する高い成長期待などがあります。ただし、先進国株式と比較した相対予想PERの推移をみると、足元では、相対的な割高感も後退しつつあることが示されています。
※文章中の予想PERはすべて翌年度1株当たり利益予想ベース(ファクトセット集計アナリスト予想)
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