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- 加速する電力需要の増加で注目が高まる公益株式
●今後数十年にわたる、世界の公益業界の成長トレンドは揺るぎないとみる
●電力需要の増加が加速~けん引役の一つはAI普及によるデータセンターの増加
●世界の電力需要は様々な分野における電化の進展により大幅増加が予想される
●データセンター集積地域の電力需要増の恩恵を受ける銘柄などに注目
■ 今後数十年にわたる、公益業界の成長トレンドは揺るぎないとみる
世界の公益業界は、経済の電化やAI(人工知能)普及による電力需要増や、発電コストが低く建設期間が短いクリーンエネルギーへのシフトなどがドライバーとなり、今後数十年にわたり、成長トレンドが継続すると予想されます。これらのトレンドは、エネルギー政策の影響を受けにくいため、特に規制下の公益企業は業績見通しの確実性が高く、長期にわたる収益と配当の安定した成長が予想されます。
■ 電力需要の増加が加速~けん引役の一つはAI普及によるデータセンターの増加
電気自動車の普及、電化の進展、エアコンの普及、AI普及によるデータセンターの増加などによる電力需要増の加速を背景に、米国の電力需要の伸びは、過去20年間の+9%から今後20年間は+55%と、約6倍になると予想されています。
電力需要増加のけん引役の一つは、AIの普及などによるデータセンターの増加です。世界のデータセンターの電力需要は年率+16%の増加が予想されています。
■ AI、データセンターは多くの電力を消費
AIは多くの電力を消費します。AI(人工知能)の代表格であるChatGPTの電力需要(消費量)は、グーグル検索の約10倍の差です。AI関連サービスの需要拡大で、データセンターへの投資は急速に増加し、その規模も大きくなっています。電力消費量では、従来のデータセンターで10~25メガワット(MW)程度の規模ですが、AIに特化したハイパースケール(大規模)データセンターは、100MW以上であり、日本の一般家庭の約20万世帯分の年間電力消費量を賄う規模に相当します。
■ 世界の電力需要はデータセンターだけでなく様々な分野における電化の進展により大幅増加が予想される
世界の電力消費量は、データセンターの増加だけでなく、電気自動車の普及、電化の進展、エアコンの普及などによる電力需要増などがけん引し、大幅に増加すると予想されています。
データセンターの電力需要は電気自動車などと異なり、特定の地域に集中する傾向があります。データセンターの増加分のうち、最も大きな割合を占めるのは米国で、次いで中国が続きます。
■ データセンター集積地域の電力需要予想が急拡大
米国のテキサス州などデータセンターが集積する地域では、2022年11月のChatGPT公開以降、電力需要の長期の予想に大幅上方修正の傾向がみられます。
■ データセンター集積地域の電力需要増の恩恵を受ける銘柄などに注目
米国のなかでデータセンターが集積する地域としては、バージニア州、テキサス州、カリフォルニア州、イリノイ州、ジョージア州などが挙げられます。特に、バージニア州では、データセンターが電力消費の2割超を占めています。
当ファンドの2025年6月末現在の組入上位銘柄の多くは、米国を中心にデータセンターや産業が集積する地域で、発電や送配電線事業などを展開しています。また、クリーンエネルギーに注力しています。こうしたデータセンター関連の電力需要増加の恩恵も期待されることに加え、米国の公益事業銘柄の多くは規制下事業の比率が高く、インフレに強く、収益が景気に左右されにくい特長があります。また、トランプ政権下での米国製造業の国内回帰の流れもプラスに寄与するとみられ、現在注目しています。
■ (ご参考)データセンターを運営する企業の多くが、発電源にクリーンエネルギー選ぶ傾向
データセンターを運営する主要企業の多くが、二酸化炭素排出量ゼロの目標を掲げており、急拡大するデータセンターの使用電力の発電源を再生可能エネルギーやクリーンエネルギーに限定する目標を掲げています。電力会社とデータセンター運営企業との電力供給契約は、長期販売契約(10〜20年)(PPA)が主流で、価格安定化が図れ、電力企業に有利な状況です。
現在、風力(陸上)、太陽光などの発電源は、旧来の火力発電の発電コストよりも低く、建築期間が短いことから経済的合理性も伴っています。
原子力は天候に左右されない安定した電力の発電源ですが、米トランプ大統領は、2025年5月に原子力発電を支援する大統領令に署名しています。具体的には、新技術による原子炉の導入を促すため、許認可に要する期間を1年半以内に定め、停止している原発の再稼働を支援することなどです。
実際には新規の原子力発電建設は依然として高コストで地元住民の反対、技術的リスクなど多くの課題が残ります。このため、引き続き、データセンターの増加による電力需要の拡大が、風力(陸上)、太陽光、原子力(再稼働)による発電の需要増加に寄与するとみられます。
当ファンドでは引き続きクリーンエネルギーに注力する企業に注目しています。
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